テーマ:最近観た映画。(40134)
カテゴリ:感想
そんな訳で午後から休み取って川崎で映画3本、ぶっ続けで観てきましたので、観た順に紹介していきます。
■劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』 久しぶりに大当たりでした。完璧な作品だね。ウマ娘とは何かをきちんと再定義した上で、エンタメとして完璧に仕上げてる。 勿論、映画館で見るのが一番ですが、ブルーレイ買って自宅で眺めるのもいいなと思いました。個人的に映画って「金だして損した」「悪くないけど、そこまで刺さらなかった」「金だした価値はあった」で大体分かれるんですけど、時々「ブルーレイ買いたい」と思う奴があるんですよね。映画館で見た方がいいと分かりつつも、家で気が向いたら何回も見たいと思う奴があって、ウマ娘に関しては今回それでした。なんつーか、軽い気持ちで観に行ったら、120%のカウンターパンチで壁に叩きつけられた気分。な、なんというパワーだ……! あと、アネさん(フジキセキ)の勝負服がえろかった。いや、あのキャラで、あのネクパイはズル過ぎでしょ。
キャラの好みでいくと、やっぱ、サトちゃんなんだけど、そういう私から見ても、今回はキャラ全員の魅力が全体的に引き出されててよかった。老トレーナーも含めて。 一番良かったのは映画単品として綺麗に仕上がってたこと。私みたいなウマ娘のアニメしか見てない、キャラも知らない、馬も知らない、スポーツにも興味ない人間でもガッツリ楽しめた。これは大きい。やっぱ、試合である以上、勝敗は必ず出て、実力や技術、才能の差とか、それに伴う不安、葛藤は出てくるし、それは老若男女問わず、共感できる世界だと思うんですよね。 ソシャゲのアニメ化は難しいとよくいわれてるし、私自身、そう思ってるけど、ウマ娘見てるとせやかて工藤って思わされる。良くできてる作品は、やっぱ、良くできてるよ。そして、ラストのうまぴょいでの〆からしか得られない謎の興奮がある……。 気になるのは、原作やってない私的には楽しめたんだけど、原作やってる勢からはどうなのかということ。困ったことに仲間内でウマ娘やっとる人あらんのよね。元ネタに詳しいメンバーならおるけど……(・・; ■トラペジウム SNSとかで変に話題になってたので、観てきました。結論からいくと、かなり好みの作品。 俗に言う「アイドル物」ではなくて、「アイドル」を題材にした少女達の青春物語としてみれば100点満点。起承転結もキャラの役割もきっちりしてて、お話として隙がなかった。見たいものをしっかり見れた良作。自分の夢に取り憑かれて狂いぎみの主人公の歪な笑みと、全てがご破算になった時の曇らせ大好き。 『反逆のルルーシュ』のルルもそうなんですけど、他人を利用してでも自分の目的を完遂しようとするタイプは、やっぱ痛い目を見てナンボなところがある。ルルの場合は目的が他人(妹)だからファン的に応援しやすいけど、『トラペジウム』の主人公ちゃんは自分自身の為に周りに無理させてるから、やっぱどこかで頭冷やせてなっちゃうのよね、観客的に。で、それをガッツリやってくれたのが良かった。でも、一番好きなキャラは間違いなくカメラのお兄ちゃん。正直、女性陣の誰よりも好き。 ■コードギアス 奪還のロゼ 1章 まさかの30分×3。これ、劇場用じゃなくて、配信向けの先行上映か。全四章で12話になるし。TVアニメとしても配信するのかな?
正直、1話の冒頭の説明と雑な悪党ムーブ見てた時は「あー……見るの止めときゃ良かったかなぁ」って死ぬほど後悔してましたけど、KMF戦の動きで「おお」となり、終盤でロゼが正体を明かした瞬間、「なん…だと…」ってなりました。続けて、2話の終盤で「まじかよ…」となり、3話の序盤で完全にやられました。なんだ、あのエロい寝間着は!これが主人公のやることかよ!けしからん
ちょっと、露骨な敵側の悪党ムーブには白けましたけど、でもまぁ、お話としては面白かったですよ、本当。中々、好きな作品でした。私も手放しで喜びたいところです。 ……まぁ、その、『反逆のルルーシュ』の続編じゃなかったらね……。 ちょっと、どー書いてもネタバレ気味の感想になりそうなので、感想は後日追記します。 ※6月2日追記 そんな訳で、ネタバレ解禁になりましたので、感想追記したいと思います。 まず、本作ですが、一言で言ってしまえば、続『反逆のルルーシュ』であり、令和における『コードギアス』再び、という位置づけになるかと思われます。 というのは、劇中における主人公ロゼの立ち位置が非常にルルに酷似しているんですね。 具体的に言うと、 ・流浪中の皇族(貴種流離譚) ・反(ネオ)ブリタニア ・口が達者で頭が回る知略担当 ・洗脳系ギアスユーザーで、目的の為に手段を選ばない ・大切なヒロイン(他者)の為に行動している ・自分の正体を隠して二重生活を送っている ・割と周囲の人間の天然に振り回される といった感じ。劇中における役回りが非常に似通ってます。この辺は、おそらく、ルルに代わる新主人公として意図的にキャラ属性を被らせたものと考えます。 勿論、決定的な違いがあります。それは、性別が女だということです。 はい、そうなんです。今回の主人公、女装男子ならぬ男装女子です。バインバインの。 実は本作、予想外に百合要素も強かったりします。3話まで見た限りは、ですが。
話自体はそこまで複雑ではなくて、北海道の皇女サクヤがネオブリタニアの造反(決起)に巻き込まれて国を失い、その際に、生き別れ囚われてしまった影武者兼幼馴染のサクラを助ける為に、サクヤの父を殺害したというネオブリタニアの兵士アッシュを洗脳。 サクヤもまた自らをブリタニア人の少年ロゼと偽り、道民の地下組織と連携してネオブリタニアの圧政から北海道を取り戻していくよーという話です。ええ、話自体は比較的、オーソドックスな内容です。 悩ましいのは、本作が『反逆のルルーシュ』および『復活のルルーシュ』の続編で、僅か4年後という点です。 つまり、この世界は、 ・シュナイゼル殿下が超合衆国首席補佐官として"黒の騎士団"を統括中 ・当然、仮面の男ゼロ(スザク)も現役 ・生き返った(というか、死ねなくなった)ルル(L.L.)まで健在 という状況下であり、そんな中でブリタニアの残党が北海道に集まって挙兵して独裁国家を立ち上げて好き勝手やってまーすと言われても「は?」としかならんのよね。正直、無理あるやろ、その展開って。ルルもスザクもシュナイゼル殿下も何してんの? 特にルルに関しては、二年前に北海道でサクヤと邂逅、彼女にギアスを与えた、という事実が明かされましたので、ネオブリタニアの北海道占領時点で既に現地にいたっぽいんです。で、その後、二年間、ネオブリタニアの日本人に対する圧政に対して、何のアクションも取ってないっぽい。これは、ちょっと、ルル的にあり得ないので、なんらかの理由でルルは動けなくなっていると考えざるを得ない。 というか、ルルの性格的にネオブリタニアは絶対に許せない存在だと思うんですよね。だって、やってることが忌み嫌ってた「横柄なブリタニア貴族」そのまんまなんだもん。ようやく駆除したと思ったら、また湧き出てきた害虫みたいなもんで、即座に鎮圧しなければならない対象なんですよ、思想的に。それを許しただけでなく、二年も好き勝手させてるって致命的なんですよね。だって、これ放っておいたら、超合衆国への不満分子(特にブリタニア系)が盛り返しちゃう可能性があるからね。折角のゼロ・レクイエムが台無しになりかねないんですよ、これ。時間が経てば経つほどに。 ……となると、ルルは放置しているのではなく、手も足も出ないどころか、誰とも通信できない状況になっていると考えた方が妥当かな、と。 妄想ですが、二年前の挙兵時点でネオブリタニアを単身なんとかしようとして逆に仮面の男(ノーランド)に敗れて捕縛(封印)されてしまったんじゃないかと思われます。若干、興ざめ感はありますが、ギアスキャンセラー持ちという可能性もありますからね。改造ジェレミアと同じで。あるいは、ルルやマオと同じ暴走状態になっているギアスユーザーか。じゃないと、仮面を付けている意味が分からないですし、そもそも、絶対敵側にもギアスユーザーいると思うんですよね。バランス的に。でないと、ワンサイドゲームになっちゃうので。
「ルルが負ける訳ないだろ!いい加減にしろ!」って思う方もいらっしゃるかと思いますけど、ルルって無印の頃から結構、抜けが多いというか、作戦通りに行かないことが多いんですよね。でも、主人公補正(幸運=脚本の都合)で、なんとかなってたんですよ。なんとか。 でも、物語の主人公がルルからサクヤに移った結果、主人公補正が働かなくて、イレギュラーである仮面の男(ノーランド)に敗れたのではないか。『ジョジョ』第三部では無敵だった承太郎が第六部では神父に敗れた、みたいに。 そして、ルルの代わりに、彼から受け継いだギアスで戦っていく主人公ちゃんがロゼもといサクヤ様なのではないか、と思う今日この頃でした。まぁ、完全に妄想なんですけどね(^^; ※補足:続編としての『奪還のロゼ』の必要性と可能性 まず、単純に必要か否かと言われると、正直、不要だと思ってます。 何故かというと、『反逆のルルーシュ』自体が綺麗に完結してるからです。 ファンサだから許せた『復活のルルーシュ』でさえ蛇足感あったのに、さらに続編って、どう考えても蛇足でしょう。例えるなら『SEED FREEDOM』の後に、新作でネオザフトとの戦いを描くようなもんですよ。蛇足以外の何者でもない。 なんだろうねー、個人としてのお前は好きだけど、お前という存在そのものが許せない……みたいな。作品が悪いんやない、企画そのものが嫌なのだ。誰か分かって、分かってクレメンス…… 面白いことは面白いんですけど、その刹那的面白さのためにコードギアス世界に無理に再点火する必要あったんかなあって、もやもや凄い。『ガンダムW』が『エンドレスワルツ』の後にも、続編でまだ戦ってるって聞かされた時と同じ気分。もういいだろ、もう思い出の中でじっとしててくれー(><; ……ただねぇ、だからと言って、絶対悪とかいうつもりもないんですよ。だって、それ言い出したら『機動戦士ガンダム』の後に『Zガンダム』作るのも、『逆シャア』の後に『F91』作るのも蛇足といえば蛇足ですから。『Zガンダム』作っちゃったせいで、ニュータイプでは人類が救えないことになっちゃったし、アクシズショックを見ても『F91』で人類は大して変わらなかったってことになっちゃったし。もう完全に呪われてるよね、宇宙世紀は。延々、殺し合い、潰し合いですよ。本当、ご愁傷様。 けど、そういう風に無理にでも続けたからこそ、その後、『G』とか『SEED』とか『水魔女』とかアナザー系列のガンダム作品も生まれて、色んなファン層を生み出してる訳じゃないですか。もし、『機動戦士ガンダム』が物語として綺麗だから続編は作らないでおきましょう、って制作側が良心的判断をしてたら、多分、こうはならなかったと思うんですよね。そう考えると、例え、無理にでも続編を作ることが決して悪とは言えない。次の種、次の可能性が生まれる可能性がある訳ですから。もしかすると、公式もそういう新しい金の生る木を作りたくて、難しい試みに挑戦した……のかもしれませんしね。 でも、逆に言えば、そうやって長く続けるつもりがないなら「無理に続編なんて作るな」って思う人達も絶対出てくると思うんですよね。まず、私がそうだし。この前、友達と飲んでた時も「『反逆のルルーシュ』の続編?台無しじゃん」って二人から突っ込まれたし。(^^; そんな訳で特に物語的な意味での必要性は皆無かと思われていた『奪還のロゼ』ですが、あれから時間が経って、1点だけ評価できるポイントが見つかりました。 それは、「ネオブリタニアという組織の発足理由」です。 私が3話まで見た時にまず思ったことは「まるで成長していない………」でした。それぐらい、ネオブリタニアは酷かった。 最初の双子領主は勿論、街を歩いてるチンピラから給油スタンドのおっさん、刑務所の司令官に至るまで、まともな人間が誰一人、いません。絵に描いた低能悪党ばかりです。正直、なろう小説かよ、とドン引きでした。だって、彼らがそういう露骨な低能悪党ムーヴをする意味が観客への「私、悪党デスヨ。成敗してくださいね」アピ以外に思いつかなかったから。 でもね、気づいたんです。 彼らブリタニア人にとっては、つい最近まで、それが当たり前で、寧ろ、あるべき姿だったんだって。四年前、ルルにブリタニアを潰されるまでは。 この北海道に集まっているブリタニア人達は、彼らが幼い頃から受けてきたブリタニアの教育、文化、思想に基づいて行動しているに過ぎないんですよ。彼らにとって、本来、これが日常で理想だったんです。ブリタニア人ではない誰かを虐げ、ブリタニア人ではない誰かを支配する。自分達が貴族として、支配者として、特権階級としてふるまえる。それが正しい行いだ、と周囲も認めて絶賛してくれる。そんな都合の良い社会が。 でも、そんな当たり前だと思っていた社会は唐突に崩壊しました。ゼロ・レクイエムによって。 確かに、ルルの強行と犠牲によって、ブリタニアに支配されていた層は解放され、世界は変革されました。 しかし、ブリタニア人にとってそれは無理矢理、持っていた筈の特権を剥奪され、正義と信じていた思想を否定され、自分達が営々と築いてきた社会を破壊されたことを意味しているのです。例え、それが弱者を虐げ、どれだけ自分達にだけ都合の良い社会だったとしても、少なくとも彼らは、その仕組みを是と信じて生きてきたわけです。その仕組みをいきなり壊され、「これからは皆、平等に生きろ、あいつらはお前達と同じ人間だ。なお、お前達の持っていた特権は剥奪される」と言われて、果たして「はい、分かりました」と受け入れられるものでしょうか? おそらく、納得できない層は絶対に居た筈です。それも少なくない数が。 ゼロ・レクイエムによる急速な政変に伴って被害を被り、不満を募らせた多数のブリタニア人が、ネオブリタニアに期待し、賛同し、集まってきているからこそ、あれほどの戦力やインフラを維持し、"黒の騎士団"による奪還作戦を二回も防げているのでしょう。 そして、同時に彼らがあれほど露骨にイレブン叩きをしているのも頷けます。彼らにとって「ブリタニア人以外を暴力で虐げる」行為こそ、彼らが取り戻したかった「古き良き日常」の象徴なのです。クズですね(== つまり、ネオブリタニアとは何なのか、と考えると、要は「時代の要求(変化)に対応するのを拒絶し、美しかった過去にしがみつく人々の巣窟」という訳です。旧エリア11時代に日本人がリフレイン打って「あぁ、昔の日本は良かったなぁ……ふへへ」って現実逃避してたのと何ら変わりありませんね。そう考えると、極めて皮肉な構図とも言えます。だって、リフレインってブリタニアが意図的に日本に蔓延させた薬物だし。 かつて『Zガンダム』でミネバ=ザビに謁見したブライト艦長が「確かにザビ家だ、この連中には時間の流れがないのか」「ここの連中は時間の流れが止まっているのか」と内心で呆れてるんですが、イメージとしては、これに近いんでしょう。彼らネオブリタニアの中では、まだ神聖ブリタニア帝国は健在で、同時に彼らブリタニア人はまだ貴族で、支配者で、特権階級なんです。彼らの中でだけ、は。 そんな彼らが祖国ブリタニアから遠く離れた日本(旧エリア11)の一部(北海道)を占拠し「ここが俺達の国!俺達の島!お前達イレブンは奴隷!」って偉ぶっている姿は、なんというか、あまりにも滑稽というか、悲惨というか……『銀英伝』の銀河帝国正統政府と比べてもアレですね。 ただまぁ、日本人としては色々考えさせられる話ですよ、これ。 明治維新で士族が没落したりとか、敗戦で反戦一色になったりとか、今の常識・思想なんてものは政局の変化で当たり前のように変わっていくもので、寧ろ、そういう流れに身を任せていかないと生きていけないという側面もある。それが良い事かどうかは別として、少なくとも、ネオブリタニアに集まっている人達の言ってることやってることを見てると「時代の流れに取り残されたと言うのか byロンメル」と思わずにはいられませんでした。 ……まぁ、三話まで見た限りの感想ですし、多分に個人的妄想が入っちゃってますけどね(^^; とはいえ、『奪還のロゼ』という作品を描くにあたっては、敵役に当たるネオブリタニアという組織、人員をどれだけ『反逆のルルーシュ』の続編として自然に描けるかが極めて重要になってくると個人的には思っています。 『Zガンダム』のティターンズ、あるいは、『ガンダムWエンドレスワルツ』のマリーメイア軍のように 「何故、彼らは生まれたのか」 「彼らの基盤・土台は何なのか」 「その上で、彼らはどのような顛末を辿るのか」 が劇中で、きちんと提示されること(ぽっと出の単なる"ざまあ"要員、要は越後屋&悪代官ではないこと)を切に願います。いや、マジで。 でなければ、この『奪還のロゼ』は『反逆のルルーシュ』という綺麗に幕を下ろし大勢のファンから愛されてきた物語にとって、単なる蛇足になりかねないからです。それは悲しい。 現状、ネオブリタニア側の内情描写が乏しいため、脚本(もっといえば、集金)の為に生み出された悪役以外の意味合いが示されていないのが辛いところ。 とはいえ、まだ序章。120分映画で言えば、30分を過ぎたばかり。 今後、ネオブリタニアの抱えている背景や実情が描かれ、彼ら彼女らの置かれている現状や苦悩、問題点が浮き彫りとなり、視聴者にもきちんと提示されるのか。 その上で、ゼロ・レクイエム後の世界で、新体制になじめないブリタニア人達がどのように生きていくのか、彼らの人生に救いはあるのか。『SEED FREEDOM』のアコードみたいな(尺的に)使い捨てにせざるを得なかった連中とは違う人間ドラマを描いてくれることを切に願います。 ……ただ、その答え合わせの為に、1900円×3を払うのは、ちょっとなぁ。正直、映画館で観なくても、配信でもいいかなぁって。さて、どうしたものか……。
でも、サクヤ様のクリアポスターは欲しいかも。エッチだね!d(>< お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年11月04日 23時46分02秒
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