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冬月「いいか君たち。君たちの仕事は何だか分かるか」 アスカ 「エヴァの操縦」 冬月「違う。使徒に勝つことだ」 これ、TV版エヴァの9話のやり取りなんですけど、最近の原作改変問題、聞いてると妙に思い出しちゃうんですよね。「脚本家の仕事ってなんだろうね」って。 まず、先に言っておくと、個人的に原作改変は「有り」派です。何故なら、原作改変しても、ちゃんと味が出ている作品を知ってるから。『リズ』然り、『スレイヤーズNEXT』然り。 原作改変の可能性というか、必要性も分かるんですよ。だって、漫画も小説もTVや映画の為に最適化されている訳じゃないから。逆もまた然り。コミカラズやノベライズした結果、原作と違うことなんて多々あるじゃないですか。そっちの方が面白い作品までありますし。それに、「原作こそ至高!正解!」なんて凝り固まった考え方して作品としての可能性や楽しめる機会をみすみす失うのは嫌だからね。 ……と、同時に下手に原作を弄って欲しくない気持ちも分かります。TV版の『HELLSING』や『封神演義』を見た時のガッカリ感は今でもよく覚えてますし。これじゃねえ、って。だからこそ、原作の雰囲気を維持してくれたOVA版の『HELLSING』やTV版の『ジョジョの奇妙な冒険』『ダイの大冒険』は嬉しかったですし。 逆に原作準拠のフリして無茶苦茶に再構成された『覇穹 封神演義』はショックでした。ありゃ、あかんわ……冗談抜きで本当、あかん(== そんな訳で、原作改変は「有り」派です。でも、それは「原作改変した方が、結果的に、より良い味を出せる場合」に限った話。 一番、よろしくないのは制作側の都合で勝手に変更した挙句、ろくすっぽな味も出せない場合。その場合は原作原理主義の方達(俗に言う厄介ファン)から散々、叩かれても仕方ないでしょう。だってよう……先にやったのは……そっちなんだぜ……?(== トーシロの意見ではありますが、実際の所、脚本家の仕事とは文字通り「脚本を書く事」でもなければ「原作を改変する事」でもなく、「観客を満足させるために、原作を各メディア(TVまたは映画)に併せて最適化する」ことなのだと思います。それを満たせてないなら、ちゃんと仕事したとは言えない。 言えないんですけど、難しいのは、ここで言う「観客」とは何者か、ということ。 この場合、大きく分けて、観客には二種類あります。1つは「原作を知らない各メディア(TVまたは映画)の視聴者(初見さん)」で、もう1つは「原作ファン」です。そして、原作改変する場合、"同時に"、この両者を満足させなければならないのです。これが難しい。 難しいんですが、それをやらないといけないのがプロの脚本家の大変なとこだと思います。特に漫画(アニメ)の実写ドラマ化は至難。そもそも、二次元が好きな人と、ドラマが好きな人って客層(感性と求めているもの)が違い過ぎるから、そもそも企画としてリスキ―過ぎる気も。企画自体が間違ってるなら、正直、何をどう頑張っても微妙な結果に終わる可能性はあります。戦略の誤りは戦術では補えないのだ……。 まぁ、一オタクとして言わせてもらうなら「原作以上の味を出せないなら、原作改変なんてするなよ」というのが正直な本音。原作の持ち味だけで勝負できる作品なら変に弄らず、原作通りでいくという判断を下すのもプロの仕事だと思いますがね(== ……まぁ、こういうケースも稀にあるので、背景も知らずに脚本家の方を叩きまくるのもどうかと思いますが。難しい話やね……(-- ※7月18日追記 正解は無いけれど、不正解は有るかもしれない、という話
3話まで視聴。しかしまた、ちょうど時期が重なったなぁ、これ。うーん、センシティブ!
これもまたケースバイケースで今回のお話が唯一の正解だとは思わないけど、こういう風にネタとして落とし込んで物語に昇華できるのは大事だと思いますね。『ルックバック』然り。なんていうか、不謹慎という言葉で腫れ物扱いするのだけは止めて欲しい。都合の良い時だけ善人面してんじゃねえよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年07月19日 23時18分15秒
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