ねぇ、ここへおいでなさいな。
淫らな、肉の人形にしてあげる・・・『アトラク=ナクア』PCゲームで心に残った作品を挙げよと言われれば、他の何を(そんなに知らないですけど・・・)差し置いても私が一票を投じてしまうと思うのです。今でも、私のように根強いファンの人は絶対いる作品で、コミケに行けば必ず今(2008年時点)でも本が出されてる、それが『アトラク=ナクア』という作品だったりします。#アリスソフト 作品紹介 No.33b📌アトラク=ナクア途中の選択肢によって幾つかの結末に分岐する、ビジュアルノベル。宿敵・銀との戦いで深手を負った女郎蜘蛛・初音は、とある高校で精気を養う事に…2000年9月14日発売※アリスの館4・5・6収録作#アリスソフト作品の思い出 pic.twitter.com/IBQrR9UtEI— アリスソフト (@alice_soft) July 30, 2024特に魅力的なのが主人公の比良坂初音という方で、その正体は四百年を生きる巨大な女郎蜘蛛。優雅で気が強く、冷徹で残酷。でも何処か抜けている天然ボケな人。好奇心が強くが飽きっぽく、ついでに空気も読めず、おまけに気まぐれ。嫌いな物は、ブサイクと宿敵・銀(しろがね)。好きな物は、生娘清童(の精と血肉)。pic.twitter.com/3AJ6KUSJNr— Daily AliceSoft (@DailyAliceSoft) November 13, 2022 お気に入りの奏子を(性的に)弄んで楽しむ苛めっ子ですけど、夜の学校で奏子手作りのシフォンケーキを一緒に食べながらお茶会したり、奏子が男を作った時には激怒して思わず捕食してしまい、自暴自棄になって銀に殺されるという物語唯一のBADエンドを迎えてしまったり、本当は奏子が愛しくてしようがなく、そんな自分に苛立ったりしてしまう人。愛称は初音姉様。『なぁに?』『身の程を知るのね、豚』『かなこ、いい子だからおうちへお帰り!』などの名(?)台詞を残す。ちなみに血の色は緑色。苦手な物は霊刀、破魔矢、銀の血統などなど。物語は、宿敵・銀との戦いで深手を負った初音が自らの傷を癒す為に、とある学校に巣を張り、異能の力で人々の精を取り込もうと目論むところから始まります。ATLACH=NACHA/アトラク=ナクア pic.twitter.com/LX1lFY79Px— Daily AliceSoft (@DailyAliceSoft) June 14, 2024 なんだか、これだけ聞くと大分、ダークなお話が気がしますが、この初音という人、基本的に『気分屋さん』なので、(プレイヤーの選択次第では)気に要らない不良学生やセクハラ教師を惨殺したり、気に入った学生達を見逃して学園生活を満喫したまま、最終決戦へとうっかり突入してしまったりします。また、物語全編を通して、淫靡さや陰惨さよりも寧ろ、初音を姉様と一途に慕う奏子との微笑ましく、どこか切ない交流の方が強く印象に残っている為、暗い気分になることもありませんでした。特に銀との最終決戦では本当に燃える戦いが繰り広げられる一方、奏子を想う心と切ない別れが凄く印象深かったです。よく、「あの作品は泣いた」っていうコメントとかあって、実際に泣いた訳ではないけれど、心で泣いた、とかそんな時があると想うのですが、私もこのゲームは「泣いた」ような気持ちに本当になりました。……と褒め称えているものの、良い子がやってはいけないゲームだったりするので、その辺はご注意ください(’’;ちなみに私は大学生時代に友達に借りて初プレイして凄くはまり、旅先で廉価版を購入したもののプレイする前に友人に持って行かれてそれっきりになってしまいました。返してー! (><;『アトラク=ナクア』追加しました!元祖百合ゲーだそうです。(※R18)プレイできる環境がある方はぜひ!https://t.co/zFK5tqe3bZ pic.twitter.com/Q6SXeT67gR— 百合図鑑 (@yurizukan) October 29, 2022伝奇モノですが、ホラーではなくて、全編に渡り淫靡な雰囲気が漂っていますが、随所に描かれる奏子と初音姉様の交流を見ていると思わず、頬が緩んじゃいますw特に後半からの盛り上がり方が尋常じゃなくて、銀と初音姉様の決戦、奏子との別れまではもう本当に目が離せなかったです。初音姉様も素敵ですけど、当時の私は奏子みたいな純情な子になりたかったなーって思ってたのをふと思い出しました。好きな人のことを想って、ああやって生きられるのはとても素敵なことだと想います、本当に。※これは2024年に開催されたアリスの館35で展示されていた原画展から。贄に改造した和久に奏子を跨らせて、自分は見せつけるように後ろから…って言う姉様の苛めっこ気質全開の一枚。好き。<初音姉様・語録>・『アトラク=ナクア』(原作)編「ふふっ…本気……? そう、あなたは…彼らが死んだ事を、喜んでいるのね…? ふふ、ふふふふっ…」「私はバケモノよ…わかっていて、そばにいたいの? 気が変われば、あなたも喰べてしまうかも」 気まぐれから不良生徒達に暴行されていた奏子を助けたことに対してお礼を言われた時の台詞。怖がらせるつもりで面白半分から話しかけたにも関わらず、予想外の回答に笑みを隠せないご様子。……あるいは。銀に初めて出会った時の幼い頃の自分を思い出して自嘲していたのかもしれません。「しゃ……何?」「なつ…何っぽい…?」同級生からなんのシャンプーを使ってるの、ナチュラル志向っぽいよねと言われた時の台詞。ずっーーーーーっと人里離れた森の中で暮らしてきた姉様にはハイカラ過ぎた模様w「先生…私、先生を殺したくはありませんから、触れないで下さいませんこと?あなた程大きな肉のカタマリ、隠すのは大変じゃありませんの」「身の程を知るのね、豚」女学生に絶賛嫌われ中の体育教師・猪口に「スカート短いぞ」と摘まれた時の台詞。猪口を怯えさせるほどの殺気を放ち、実際、宙吊りにして殺しかけてました。醜いものには、初音姉様、容赦ないです(。。;「かなこ、いい子だからおうちへお帰り!さもないと『贄』にするわよ」「わかったら、おうちへお帰りなさい。明日生きていて、気が向いたなら…また遊んであげるから」(―――忌々しい、この、耳…!ひとの形をしているくせに、聞こえ過ぎる。銀の居場所も感じ取れない割には、かなこの嗚咽ばかりが、いつまでも、いつまでも…!)銀との決戦に赴く直前、一緒にどこか遠くへ逃げましょうと涙ながらに訴えるかなこへの台詞。銀の傀儡と化した燐によって校内の結界を破られ、自身もズタズタの状態でありながら、こう言い放ち駆け去っていきます。・『ままにょにょ』編「なぁに、ここは…?何もかもが石造り。私の巣はどこへ行ったの…?」「ままとと・・・・・・まんまと、おさかな?」イデヨンによってママトト城内に召還された際の台詞。初音姉様、いくらなんでも天然ボケが爆発し過ぎですw「あれは……あれは、なんといったかしら……そう、ちょうのうりょく。」サイドストーリーに掲載されていた他のアリスソフトキャラクター達との交流の際の台詞。戦闘時に異形化していた鉤爪について尋ねられた時の言い訳ですが……使い慣れない言葉で一生懸命、誤魔化してます。「そちらのけーきは、御遠慮しますわ。先約がありますの。元の世界に戻ったら、今夜……それを焼いてきてくれる娘がいるのよ。」他のキャラクター達にシフォンケーキ食べませんか?と誘われた際の台詞。本当に初音姉様は奏子を大切に想ってるのが伝わってきますね~d><※2024年7月4日追記おはござ朝宣伝です☆サークル参加申込カウントダウン、あと8日!今だチャンスだサークル参加申し込み!#アトラクナクアオンリーイベント 『#ArachnidNemesis VG2024』R6/8/25 東京ビックサイトで開催&サークル参加受付受付はR6/7/12 23:59まで!#あねしす#アトラクナクアhttps://t.co/f0LSoj92F2— TWILIGHT=TERRITORY公式 (@twilighterritry) July 3, 2024オンリーイベントが開かれるみたいなので、気になる方は是非是非。しかし、まさか、その日とは……(^^;※8月29日追記 後日談が無料公開されました超昂大戦月間ブログ 2024年9月号でお知らせしました『アトラク=ナクア』後日談『系譜 The next series of Atlach=Nacha』知らない人もいるかと思いますので公開致しました。https://t.co/fYabQJPlyc pic.twitter.com/DYRTQOoJIk— アリスソフト (@alice_soft) August 29, 2024『あなたよ』に込められた奏子の一途さ。そして、言われた初音ちゃんの絶望。大好き。それはそれとして、えすえふさんの漫画の奴も好き。ほら、奏子はいっぱいいっぱいだから。色々と……(^^;……奏子はさ、サカモト達に××されて、心壊れちゃって、その後に初音姉様との暮らしの中で、もう一回、心壊れちゃって、最終的に、その初音姉様とも死別する形になって、更に心壊れちゃってるんで、なんかもう、本当に初音ちゃん(姉様の生まれ変わり)しかいないんだよね。生きる縁が。だから、ああいう風になってしまっても仕方ないというか……ね。 アトラク=ナクア 公式ヒント集……いやぁ、本当。どうなるんでしょうねぇ、アトラクコラボ。どきどき。9月14日追記 銀の話をしよう、という話※以下は『アトラク=ナクア』及び、その小説版のネタバレを含みます。許して。そんな訳で今回、公式から後日談が無料公開された訳ですけども、実は前日譚も存在してたり。それが、こちら。残念ながら、こちらも絶版で、私も社会人になる時に手放しちゃったのですが、内容自体は今でも割と覚えてます。それだけ、良く出来たお話だったな、と。---反転---前半は、過去編。400年前、まだ人間だった頃の初音姉様と銀の邂逅から決別までの物語。後半は、前日譚。袂を分かった二人が、現代社会の裏で、どのように生きていたかを描きつつ、原作冒頭の戦いへとつながっていきます。特に、原作では"物語の始まりにして、最強の敵"とでもいうべき存在だった銀の掘り下げが、しっかりと行われており、彼が何者で、どういう存在だったのか、よく分かるようになっています。言ってしまえば、彼だけなんですよね、正真正銘の怪物って。初音姉様も人外と化してますけど、元は人間ですし、精神的には人間的な情緒をふんだんに残しています。だからこそ、あんな風に喜怒哀楽の激しいうっかりさんな訳で。(それがまた良い)銀に、それはありません。本物の怪物(神)である彼にとって、全ては戯れに過ぎないのです。なので、自分が娶った女や産ませた娘を目の前で姉様に惨殺されても、怒ったり、悲しんだり、そういう感情を示すことは一切ありません。彼が示すのは興味であり、好奇であり、愉悦であり、失望だけ。人間の生き死になど、彼にとっては些事に過ぎないのです。要するに、愉しいか、愉しくないか、それだけなのです。銀は。他の土地で人に害を与えている怪かしの討伐を僧侶姿で手伝ったのも。その戦いで命を落とした退魔の武士(鷹弘とつぐみの先祖)の遺体を許嫁(沙千保っぽい人)の下に運んでやるのも。(その死体を操って許嫁と××させるのも)自分の下に生贄として運ばれてきた娘(初音姉様)を××した男達を皆殺しにしたのも。その初音姉様を自分の眷属(蜘蛛)にしてやったのも。人里に降りて、巫女(八神先輩の先祖)を孕ませて自分の血筋を与えたのも。それを裏切りと見なして、怒り狂った初音姉様と争いになったのも。全部、退屈凌ぎに過ぎません。遊びなのです。彼にとっては。他人の生き死にも、現世の出来事も。逆に、興が乗らない限り、彼は何もしようとしません。現代で、鷹弘とつぐみの父親と出会った際には、すっかり弱体化して戦う力を持たなくなってしまったことに失望し、もはや戦う価値もない、と彼を見逃してやります。その一方で、学園倉庫で不良達が奏子を××している現場に出くわしても、言葉を交わして、そのまま去っていきます。彼にとって奏子は救う価値のない面白みのない相手に過ぎないから。彼は、人の心を持ち合わせてはいないのです。だから、折角、運んできた死体とまぐあわせた許嫁が直後に自害してしまったことも理解できないし、人間に子供を産ませたら、初音姉様が激怒して反旗を翻したのも理解できません。そういう思考回路を持ち合わせていないのです。しかし、そのことで彼は悩んだり、苦しんだりしません。寧ろ、今の状況を楽しんでさえいます。……何故なら。その結果、初音姉様という唯一自分に脅威を与えられる――愉悦を与えてくれる――存在と、存分に心行くまで殺し合うことが出来るようになったのですから。そんな訳で、銀の話でした。救いようのない生粋の怪物である彼が存在することによって、まだ人の心を残している初音姉様との差異が際立ち、「悪vs悪」の物語としても、『アトラク=ナクア』は上手く描かれているな、と思う今日この頃でした。