北タイの国から（北タイの家族）

先日、我々任侠家族は
サンカンペンメーオンの温泉に出かけた。

たまたまメーオンに用事が有り
用事が済んだあと
たまには温泉でも行ってみるかということで
総統閣下の指示のもと
話が決まった。

左折し道に入ると
何やらアルファベットで「ONSEN」という看板が目に入ってきた。

最近新しくできたSpaリゾートのようだ。
どんな様子か中を見てみた。



日本人や欧米人が好む露天風呂も無く、
宿泊部屋にも温泉浴槽が無い。
あるのは個室浴槽と水プール。
施設自体はきれいだが
この温泉Spaのコンセプトが良く分からない。
オーナーが日本の温泉を理解せず、作ってしまった感じを受ける。

Spaを出て温泉公園に向かった。
人気の温泉プールで泳いだ。
家族連れで賑わっている。

打たれ湯が滝のように流れている。

３０分ほど泳いだ。
遊び疲れたので、温泉プールは終わりにし
個室温泉浴槽で体を洗うことにした。

個室温泉浴槽は男湯女湯で分かれている。
家から石鹸シャンプー１セットしか持ってきていない為
ほんなら父ちゃんと息子が先に行けと
閣下から指示が下された。
閣下は二人が終わるまで外で待っている。

5分くらい経った。
困ったことに息子が浴槽でふざけて
なかなか洗おうとしない。

　　Kazak:「石鹸をお母さんに渡さないといけないから
　　　　　　早く洗いなさい。」

もうそろそろ終わらせて石鹸を持っていかないと
閣下の閃光が轟くのではと不安になり、
子供を煽ったその瞬間、
轟音と共に
人の顔が天井から這い出して来た！！！

　総統閣下：「ゴルらー！！早うせんか！！何分待たすんや。
　　　　　　　石鹸とシャンプー渡せえ！！」

極端に気の短い総統閣下が
我々を待ちきれずに
水着姿で男湯に進入してきたのだった！！

日本のG.Wや夏休み年末などのハイシーズン時、
高速道路サービスエリアのトイレで
おばさん連中が躊躇せず
男便所に入ってくる光景はよく見たことがあるが、
水着姿の女性が
男湯に堂々と入って来て石鹸を求めてくるシーンを
見たことがある人は
まず皆無であろう。

個室温泉浴槽で体を洗い終わった後、
子供が”温泉卵”を食べたいと言うので
温泉噴水の方面へ向かった。

鶏の卵は売っていたが
子供が好きなウズラの卵があいにく品切れ。
隣で閣下の眼光が「ギラっ」と光った！！
近くに座っていた
女子大学生風の二人が持っている温泉卵用カゴに入っている
ウズラの卵を閣下が見つけたのだ。

　総統閣下：「よう姉ちゃん、そのウズラの卵
　　　　　　　少しわけてくれへんか。
　　　　　　　タダとは言わん。
　　　　　　　金払うたるからわけてくれ。
　　　　　　　息子の好物なんや。
　　　　　　　どうや、ナンボでわけてくれんねん！」

　　女子大生：「あっ、えっ、ど、どうぞ。差し上げます。
　　　　　　　　お金は要りません。」

とても堅気の人間とは思えない閣下の雰囲気に
女子大生は圧倒されたようだ。

　　　総統閣下：「おっ、そうか。姉ちゃんおおきに！！
　　　　　　　　　行いがええから
　　　　　　　　　今日姉ちゃん達にいいことが起きるで。」

温泉プールで楽しく泳ぎ、
尚且つウズラの卵までも
タダで手に入れた我々任侠家族は
幸せな休日を過ごすことができました。



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