カテゴリ:日々のカケラ
つくりの輪。ちょっと素敵な響きを持った言葉だ。金沢にそんな輪が生まれた。人生は自らの道を創造すものだと信じて疑わないぼくだから、さっそくその輪に参加することにした。つくりの輪が一堂に集う「つくりの祭り」で、千晶さんとのコラボレーションコンサート「あめつちのしづかなる日」と、「親子でバーチューズ」というひとときを創らせてもらう。 つくりの輪を作ったのは、俗に言う業界の人だった。北野道規さん。東京でコピーライティングとディレクションを手がけてこられた。もう10年以上も前のことだろうか、初めてお会いして、出来る人という印象が強く残った。要するにぼくにはあまり縁のない仕事人、だと感じた。それ以来今日まで大した関係もなく、ともに地方の業界を歩いてきた仲だった。 経済優先のこの資本主義社会の中で広告業界を歩くことは、真っ当な心を持っている人には少し辛い作業になってしまう、とぼくは思っている。いくら情熱を傾けても、いや、傾ければ傾けるほど、否応なく環境破壊の手先になってしまったりすることだってあるのだ。そんな業界に、北野さんもぼくもいる。 それがどこでどう変化したものか、つくりの輪という場ができて、疎遠な関係が急接近してしまった。まるで目指すところが一致した、という感覚がぼくの中を走った。この名前ではたった一度しかない人生をいま歩いている。寄らば大樹の蔭では、本物の男なら納得できるはずがない。個人個人はどんなにちっぽけな存在だとしても、巨大な組織や企業に踊らされることはない。地道でも自分の足で大地に立ち、心を開いて大空を仰ぐ。それが男の生きる道だ。(こういう表現をすると、それだけで爽快になるものだったか。いつまでも子どもだなと、苦笑いしている) 大学生の頃つけていた日記の最初のページには、いつも「道程」を書いた。あれからもう30年以上も経っているというのに、ぼくの中味はなにひとつ変わっていないようだ。きっと北野さんも好んで読んだに違いない。そんな気がする。 道程 高村光太郎 ぼくの前に道はない ぼくの後ろに道は出来る ああ、自然よ 父よ ぼくを一人立ちにさせた広大な父よ ぼくから目を離さないで守る事をせよ 常に父の気魄をぼくに充たせよ この遠い道程のため この遠い道程にため お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 17, 2007 12:40:33 PM
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