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テーマ:ミステリはお好き?(1481)
後味が悪い小説を読みました。 以前から買ってはいたのですが、なかなか読み進まず、 三分の一くらいまでがとても時間がかかりました。 そこからは少し面白くなってきたというか、どうなるのかという先を知りたい興味で スピードが速くなり、読了することができたという感じです。 それは 貫井徳郎の 『慟哭』 この作家さんはとても評判だし、ミステリーとしても評価を得ています。 でも・・・賛否両論に分かれるのではないかな~ ここからネタばれになりますので今後読む予定の方はご注意ください。 たしかに、最後の大どんでん返しはびっくりしました。 意表を衝く犯人像でした。 でも、どこか納得いかない・・・ 幼児誘拐、そして殺害というのがこの物語の骨子です。 憎むべき犯罪です。 犯罪にもし仮にランクがあるとしたら、ワースト1ですね。 真犯人が 《やはり伏字にします 》 だったというのが納得いきません。 通常私がミステリーを読んで、すごい!と思ったり、よくできているな~と思うのは 完璧な探偵小説として完成したもの。 あるいは物語性があり、登場人物に共感、そして感動できたときです。 たとえ、犯人であっても、それまでの紆余曲折などで 心情的に同情できたり、その人物に魅力を感じるかが重要なポイントです。 たとえば、尊敬する(笑)東野圭吾の作品ではどっぷりはまれます。 『白夜行』『幻夜』のヒロインなどはまさに悪女なのですが・・・憎めない。 (まぁ自分がそうでないのでとびきりの美女で悪女、というのに憧れもありますし) 脇に、誰か魅力的な登場人物がひとりでもいたら少しは違っていたかな・・・ でもどうにも誰も中途半端な感じでした。 このような犯罪で、どこにも救いが見出せない展開。 どんな理由があろうともこの種の犯罪は唾棄すべきです。 (話は飛びますが、本村さんには心から哀悼の意を表します。敢然と戦うあの人は偉い!) 先日日記にも書いた『博士の愛した数式』 の読後感があまりにも爽やかで素晴らしかっただけに 今回、とても索漠とした思いに陥りました。 口の中に砂を無理矢理にほうばらされたとでもいうか・・・ ただ・・・題名はうまいです。 まさに!!慟哭。 手元にもう一冊、同じ作家の『プリズム』があります。 『慟哭』がデビュー作だそうです。 一作だけで決め付けてしまうのもなんなので、 他の作品も読んで、すべてがこのような作風なのか確かめてみようかとも思いますが。 それはちょっと先になりそうですね。 ちょっと、口直しにスカッとする小説を読みたいので探してみます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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