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カテゴリ: 登山
とっておきの33山という本を見て 高三郎山を選んだ。
犀川ダム ダム湖の奥に登山道はある。 そこまで車で行けるはずだったのが、 行ってみるとなんと8キロ手前で頑丈な鉄格子で封鎖されていた。 それがコレ だめだこりゃあ。引き返して違う山に行こうかとあひるさんと相談していると、 一台の車がやってきてそこの鍵を開けようとしていた。 てっきりダム工事関係の人と思ったが、話してみると違っていた。 ダムに沈められた部落の人で、週末になると倉谷集落辺りを散策するらしい。 きままに山に入れるようにテンデにこの鉄格子の鍵を持っていることが分かった。 というわけでその男性についてゲートをくぐりダム湖手前まで入れることになった。 ちょーラッキー と思ったのもつかの間、車で向かう途中 上から 落石! 目の前に落ちた! あと1秒早かったら死んでた まで行かずとも 車に穴が開いていた。 これまた ちょーラッキー 先が思いやられます・・・ ダム到着。 村人たちが待っていた。 「ここから船に乗っていくし、乗って行けばいい」 「ここから先の登山道は道が荒れていて歩くのも大変だから自分らはいつも船でいくんだ」 と私たちを乗せてくれた。 なんと親切な人たちなんでしょう。 タダ船です。 おじさんとおばあちゃん合わせて総勢11人。 ダム湖を船に乗るなんて初めてだ。当たり前か・・・ 船着き場のない船を下りて一歩踏み込んだ途端 底なし沼のように脚がのめり込んだ。 凄い道です。そこを道案内されながらただひたすら歩く。 村人はなれたものです。 彼らはこの周辺に小屋をいくつも持っていてそこで休憩しながら 山菜を採る人、イワナを釣る人、道を作る人 されぞれの目的で動くようだ。 私たちも高三郎山登山へと急ぐため彼らと別れた。 別れ際にゲートの鍵を預かった。 多分私たちの方が早くゲートを出るのだろうと村人が気を使って預けてくれたのだ。 ここからはアヒルさんと登山口まで急ぐ。 途中集落があった標木をみつけた 彼らは30年前ここで暮らしていたそうだ。 ダムができて自分たちの故郷が沈んでしまった村人もいるのだろうけど 倉谷集落は沈まずに済んだようだ。 沢をロープ伝いに渡り、 登山口をやっとみつけた。 ナガ尾根とシャクナゲ尾根の分岐。 本によるとシャクナゲの方が藪が少ないとの情報。 そちらを選び行くが、藪だらけ。 草木で前も見えない地面も見えない。 どんどん藪は深くなるばかり。どこが刈ってあるんだ?と怒れてきた。 こわい! もういやだ!と叫んで10分登山したところで アヒルさんにあたり散らして引き返した。 あひるさんごめんんさい。 高三郎登山は断念して帰路を進むと イワナ釣り最中の村人に遭った。 「すぐ引き返すのもいいけど、せっかく来たのだから、この先の沢で遊んで行けや」 「この道は全部刈ってあるさけ、沢に沿って行けば遊べるそ!」と勧められた。 私たちもそれならと村人について沢を登ることにした。 でも、草刈ってあるとはいえ、むき出しになった木や草の切り口を踏み、 岩場や川を渡るのは なれない私には ほんとに大変なこと。 こんなの道じゃねーと叫びたかったが 村人たちの山を語る顔が楽しそうで ついていくしかないな と がんばることにした。 途中何度か川を渡らなくてはいけないのだが、信じられない。 お尻まで生身で浸かりながら渡った。 足を取られそうになりながらも二つの川渡り、 3つ目の川は 村人がきりだしてくれた杖を川の上流にさしながら渡った。 川を渡ってからも何度も川の崖をロープを伝ってわたる道がたくさんあった。 彼らの脚はすごいです! なんでななめっている道じゃない道をあれほどまでにスムーズに進めるのか、 後ろから首かしげて見てた。 どうしてそんなにちゃんちゃんとあるんけるんですか?と聞くと 「川用の靴にはスパイクついとるし、滑らんような生地も貼りついとる」 「山用のジカタビもええぞ。これはどんな山でも上れるコブコブガがついとる」 「俺らはもともと鉄砲うちや。でももうしばらくするとこの近辺はアブで入れんくなる。 だから道をロープを張ったり道をつくっておくんや。秋になれば熊撃ちしにくるんや。」 と話していた。げげっ!こわっ!猟師なんや・・・ なんとか最終の小屋に到着。 ここまでの所要時間は3時間。めっちゃ疲れた。 今日の目的は達成!またここを引き返すのかと思うとぞっとするのかと思ったが、 だんだん楽しくなっている自分に気がついた。 引き返す道には4つの川、沢渡、ロープ場も何か所 決して平らではない道斜めっている道。 すべて楽しくなってきた。 別の村人とまた遭った。 「いっふくしていかんか?このさきに小屋があるし」と遭う人会う人に親切に声をかけられる。ほんとうに暖かい人たちである。 あーもう終わっちゃうんだなあと戻ってきてしまった。 つり橋に到着。 さらに村人に会い、きをつけて帰れや と何度も言われ別れた。 (行きは船で来たのでこのつり橋を渡らずに済んだ。) 帰りは船ではなくて 荒れた道を歩いてゲートまで帰らなくてはならない。 でも その道も楽しみ。 思った通りの道にさほど驚くこともなくダム湖の周り6キロを走る。 なんだか分からない石碑 途中 落石で塞がれているが、 あの村人たちがしたのであろう。ロープを渡して崖を渡れるようになっていた。 決して楽な道ではないけど、彼らが地道に作った道の跡が痛いほどわかる。 こんな手つかずな道を 少しずつでも通れるように努力した足跡がそこらじゅうに窺えた。 登山道とは人の手でいつも手を加えられた手間暇かけた道だと言う事が 本当によくわかる体験を私はしたと思う。 走りきってゲートに着いた時にありがたい気持ちでいっぱいになりました。 所要時間は5時間半。 そして鍵を返す時に お礼のメモ書きとボートのガソリン代を潜ませて ボックスに納めた。 ムックのキーホルダーがかわいい。 倉谷集落のみなさんありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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