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カテゴリ:完全帰国後
先週から今週にかけて読み終えた3冊の本。
『官邸崩壊』上杉隆 『議員行動の政治経済学:自民党支配の制度分析』建林 『台湾問題:中国と米国の軍事的確執』平松茂雄 読みやすさ、話題のタイムリーさで言えば『官邸崩壊』が群を抜く。 筆者独自の行動力で安倍首相とその周辺で起きたことを 丹念に取材しており、資料として貴重なだけでなく、 単純にストーリーとして非常に面白い。 問題は筆者上杉氏の政治や安倍さんに対する見方が 本に色濃く反映されていること。 かみぽこブログ読者であり、いちおう国際政治を学んできたものから見ると、 ちょっと独善的に安倍さんを切り刻んでいるところがある。 (普通のジャーナリストなら誰でもやっているんだろうけど) 『議員行動の政治経済学』は社会科学、特に一般的な政治学や 経済学に馴染みのある人でないと読むのは難しい。 とある理論的な枠組みを使って中選挙区制度下でなぜ自民党議員が 「合理的」と呼ばれる行動をとってきたのかを体系的に説明している。 が、使っている言葉は非常に専門的であまり抑揚がなく、 かつ、統計学の基礎的な知識がないと筆者のデータ分析をきちんと理解することはできない。 (それゆえ、僕は良くわからなかった・・・) もちろん、筆者が導き出した結論はすばらしい。 中選挙区制度を自民党議員同士で戦うために、 地域割りと政策割りを行ってきたこと、 その仕組みが小選挙区制導入によって徐々に変わってきていることが きちんと証明されている(はず。データ分析については僕はわかっていない・・・) 最後に、『台湾問題』は豊富なデータがたくさん載っている。 1954年に起きた最初の台湾海峡危機から、最近の中国の海洋調査活動の活発化まで オープンソースを丹念に拾っている。 この本があれば必要なデータを見つける取っ掛かりにはなる。 が、情報が多すぎて、読み物としては難しい。 雑感でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年11月15日 23時51分01秒
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