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カテゴリ:日記
毎度 刑です。
【炎の取立人】後編です。 前回お話した若者(仮名で田中としておきます)と二人で 金借りて全然返さない奴の所に車で向かいました。 途中のクルマの中でも田中は物腰も柔らかく、年齢を聞い たらまだ19歳で凄く真面目そうで、俺は 「何でこんなボクが暴力団組員で取り立てなんかやって んねんやろ」 と俺はその時は思いました。ですが、その俺の考えを 田中は見事に裏切る男でした。 取立てる場所に到着してドアをたたくと、金を借りた ままトンズラしてた男はすぐに出てきました。 こっちの用件を伝えると何食わぬ顔でそいつは 「今、払う金ないわ」 とあっさり平気な顔をして言いました。 そこで俺は 「おんどれ、ふざけんなワレ、いてもうたろか!!」 と口からでかかった時に、 突然今まで、おとなしく後ろに控えていた、田中が急に俺 を突き飛ばして、その男の胸ぐらをつかんで押し倒し 「お前、○○す」 「お前、○○す」 って独り言のようにつぶやいてるんです。 俺は、何が起こったのかわからずボーゼンと立ち尽くして いました。 田中は押し倒している手を離して急に立ち上がり、いきなり 背中に担いでいたナップサックの中から透明なビンを出して キャップをはずしてビンの中身をその男の家の中に、撒き はじめたのです。 押し倒してから、そのビンを撒くまでの時間は約1分位の 間の早業です。 そして、その男が急に叫びました。 「なんや、この匂い、これガソリンちゃうんか??」 「うあっーーー」 「金、払うから許してくれ」 と男はこの世の人間とは思えないような恐怖の表情で叫んで ました。 そんな、男の願いがまったく聞こえないのか田中はライター に火をつけて、今にも火をつけようとしています。 俺は 「こらやばい」 と思い 「田中もええから、もうわかったから払うって言うてるやん」 と言って、手に持っているライターを取り上げました。 その取り上げた時の田中はニコニコ笑ってました、 そんな状況下において笑ってるんですよ。 たぶんあいつは、あのままにしていたらニコニコしながら 放火したでしょう、現住物の放火は殺人なみに重罪です。 ほんま、あんなびっくりドキドキの取立てはもう二度と ゴメンです。 あとから、その系列の組の叔父さんが 「あいつは、少し精神病で何回も病院いったりきたり してるんや。放火事件も2回起した事あるらしいで」 と言われました。 俺は心の中で 「そんなん、はじめに言うといてくれよ」 と叫びました。 その後2度と田中とは一緒に取り立てには行きませんでした・・・・ 次回も宜しくです。 刑 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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