テーマ:おすすめ映画(4070)
カテゴリ:Movie
英国も途中乗り換えに立ち寄ったパリでも、豚インフルエンザ(”Swine Flu")はTVで相当盛り上がっていたが、どちらの空港でもマスクまではしている人を見かけることはなかった。それが成田に到着した途端空港職員が皆マスクをしていたのには驚いた。日本らしいといえば日本らしい。
さて行きのフライトで途中までしか観れなかった”Burn After Reading"と5月にちょうど入ったので行きのメニューには無かった”Gran Torino"を観ることができた。 日経新聞の映画評では確かストーリーが懲りすぎて無理矢理なところがある、と指摘されていたので期待していなかったが”Burn After Reading"はかなり好みの映画である。 本来シリアスなCIAの職員達が冷戦終了で単なる官僚に陥っていて間抜けなところを掘り下げている。そこにもっと間抜けなジムの同僚達が絡み合って話を可笑しくしている。Brad Pitのお馬鹿キャラよりも、ダンディーで見かけは格好が良いGoerge Clooneyが単なるSex好きで小心なCIA職員であるという設定が素晴らしく彼の演技もそれに十分応えている。しかしあのマシンは幾らなんでも無いでしょう。 ”Gran Trino"はかなり前評判が良かったので逆に構えてしまった。ストーリーとしてはサプライズは無いが、色々な場面で監督のクリントイーストウッドらしい心配りを感じる。 神父との死と生についての再三のやり取り、モン族のシャーマンから「あなたは幸せでは無い」という率直な指摘、ガレージにある各種ツールに対するこだわり、いまだに使う手動の芝刈り機、散髪屋との汚いジョークだらけの会話、自分の医者が既に引退してアジア人の女性に変わっていたことに3年間も気が付いていなかった場面、白人が黒人にブラザーと言って相手にされない場面、アジア人の女性は頑固だと主人公に言わせる点、移民女性は白人社会にうまく馴染むが男性は調整できない、等。 ちょうどクライスラーがChapter11を申請し、GMも追随しそうな時に、元Ford社員で自分がラインで作ったVintage CarをMint状態で大切に保管し、日本車に乗る息子に「米国製品を買えよ」と言い、白人が減っていく自分の町に嘆きながら、実は息子の家族よりもモン族により親近感を持っている自分を意識し始める。そういう米国社会の直面する問題をうまく取り入れた映画である。 主人公とモン族のシャイだが優秀な若者との関係が希望を与える。本来、メンタリングというのはこういう自然な形で信頼関係が築かれた時に素晴らしい効果がでるのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 3, 2009 02:03:57 PM
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