Walk on the Wild Side

先週二度も神戸を往復したからでも無いだろうが、急に冷え込んだこともあって恥ずかしながらクシャミをした瞬間腰に張りが出てしまった。少し前は暖かく、もう春が来るのかな、と期待していたことで気が緩んだのか、単なる年齢のせいなのか。情けない....

今朝とんでも無いTV番組をやっていた。「チャンネルΣ『悪いのはみんな萩本欽一である』 というタイトルで、「誰も知らない」の映画監督・是枝裕和監督が「バラエティとは何か」を萩本欽一を被告人として検証するという柔らかいようで硬い番組である。

萩本欽一を「バラエティがひんしゅくを受けている犯人」と仮説して、それをフジテレビの三宅恵介、日本TVの土屋敏男等が証言を交えて検証して行く。「共演者への暴力」、「お笑いに関して素人である歌手・アイドルにコントをさせる」、「低俗」、「イジメ」、「素人いじり」これらはすべて萩本欽一が既存のプロの笑いを破壊してTVに持ち込んだもので、ついに彼は視聴率100％を達成するに至る。

何しろ彼はTVで野球拳をやっていた人である。前川清をコントに引きずり出して一流の芸人に育てる過程をTVで見せた人である。町に飛び出し素人が面白いということを気づかせた人である。ドラマばかりだった午後9時代にバラエティを成功させた人である。

しかしその萩本欽一も24時間TVを境に自分自身を「自主規制」してしまい、最後には作り上げた自分の「良い人」を裏切れなくなってしまった。そういった証言をほとんど否定しない。その検証は結局バラエティを愛して止まない彼への秀逸なTribute番組に出来上がっていた。是非再放送をお願いしたい。

「チャンネルΣ『悪いのはみんな萩本欽一である』