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定期健診を欠かすことのなかった父が、末期の肺癌と診断され2年。
あらゆる抗がん剤、転移したリンパや脳腫瘍の手術、 希望を胸に、いつも前向きに闘病した父も、癌という恐ろしい病魔に命を絶たれてしまいました。 最後の最後まで、「痛い!!」と聞く事は、家族でさえないほど、堪えていました。 心配されないよう、いつも周りに気を遣う父の性格からです。 腰痛は訴えていました。 もともとスポーツマンの父は、闘病にあたり運動不足が原因だと言い、運動を強化したほどです。でも、本当は、病気のせいだと自分ではわかっていたのですが。 家族だってわかります。主治医の先生も「そうとうな痛みのはずです!」と、おっしゃいました。腰だけではなくお腹、その他・・・・・・ 決まってするポーズがありました。胡坐をかいて、両腕を開いて手のひらを地面につき、頭を下に向ける。そのうち手のひらはゲンコツに変わります。至って冷静なのが特徴でした。 痛みを何とか堪えるわけです。意識のしっかりした中、本人以外が苦痛をなくす治療にしてほしい、なんて言っても何の意味もありません。本人がこのお薬でまだ大丈夫(モルヒネはとっくに服用していました。でももっともっと強くしなければ効かなかった)と言えば、なかなかそれ以上のお薬にならないのです。最近では癌による血栓が片足のどこかに詰まり、やせ細った足が片方だけ3倍にも4倍にも腫れ上がったり、それは癌の痛みとはまた違うものだったようです。一度は血栓を溶かす薬を使い、また詰まりにくくするために血管内にフィルターを入れる手術をし、回復しましたが、数日後再びそうなってしまったときは、もう手の施しようがありませんでした。そのときモルヒネの強さを数倍上げたのです。初めて「痛い!」と、いう言葉をはにかんだように口にしました。そんなときにも周りに気を遣い、けわしい表情でなく、 冷静でした。あとは痛みをとる事に専念し、次の日には静かに息を引きとったのです。病院の 関係者は口をそろえて、我慢強い、立派なお父さんでしたね、と、私に言ってくれましたが、 私にとっては辛い思いをした父が残念でなりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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