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旅に出よう 思い出は語らず。

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2006.05.30
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大衆時代小説の中で、池波正太郎、藤沢修平につぐ
担い手と個人的には思っている 宇江佐真理 の
『黒く塗れ 髪結い伊三次捕物余話』を読み終えました。
さすがに、第4作目に来ると、内容も息切れして、
だれるのが、ふつうですが、この本も例にもれず、
3分の2の、ところまでは、このシリーズも、
そんな感じで読んでいましたが、
最後の2編が、その印象を,払拭させてくれて
やっぱり 宇江佐真理 は いいなあと
思わせるところで、終った。

ストーリーを、明かすのは,野暮のきわみで、
いただけないのだが、

伊三次が、使われている同心の不破の妻
いなみ が、ときどき登場するが、
この小説の中で、誰がすきかというと、
伊三次、文吉の次に,
いなみ じゃあないかなあと思う。

不破くらいの同心は,きっと過去の傑作小説には、
すくなからず 登場するが、
この いなみのようなキャラクターは、
初めてではないだろうか。

それにくらべると、まだ、不破と、いなみの
せがれは、いまだに、うまく描けてないのではないか。

その他の時代小説も、あるていどは、目を通していると思うのだが、
この人以上のものは、いまだにみつからない。





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最終更新日  2006.05.30 10:24:33
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