【わたしたちの教科書】第12話 最終回と統括
ともみ みかづき きりぎりす すいしゃ しゃんでりあ あすかそうやって、しりとりをしながら、小学生の明日香と朋美は一緒に学校から帰った。2人で秘密の基地を見つけた。毎日2人でそこで過ごした。私はあなた、あなたは私。嬉しいことは、全部半分こにしよう。悲しいことは全部半分こにしよう。そうやって ずっと2人で生きていこう。朋美が兼良からいじめを受けるきっかけを作り、死のうとした朋美に替わって明日香は自らいじめを受けるようになった。でも、朋美は誰にも言えなかった。明日香が自分の代わりになってくれた事。明日香は自分のためにいじめられている事。そして、あの乱闘の日。明日香は朋美に向かって笑いかけた。私ね、一昨日死のうとしたんだ。でも止めた。私は1人じゃないんだって事に気付いたの。朋美もいつか気付く。誰でも1人じゃないんだよ。悲しむ人はいるんだよ。だから、死なないで。私たち、また一緒に帰ろう。そして明日香は窓から転落した。手足を滑らせて。明日香の死は、自殺ではなかった。事故だった。珠子が救われた瞬間。それは、真実を知ってもらえた明日香も救われた瞬間。長い間、細い肩に重しを背負って生きてきた朋美はその時、崩壊した。世界を変えることはできますか?学校には今もイジメはある。でも、職員会議で頻繁に語られるようになった。と加地は言う。そして、明日香を忘れないように、生徒と語る機会を作っている、と言う。それだけでも、世界は変わったのではないだろうか。明日香の周りにあった小さな世界。明日香の死によって、世界は少しだけ変わり、珠子の闘いは無駄にはならなかった。死んだようになってしまった朋美と秘密基地に向かった珠子は壁に明日香の書き残した手紙を見つける。明日香が最後に朋美に語った、独りぼっちじゃない自分の事。明日香より明日香へ私 今日死のうと思ってたごめんね、明日香わたし今まで明日香のことがあまり好きじゃなかったひとりぼっちの明日香が好きじゃなかっただけどここに来て気付いた。わたしは1人ぼっちじゃないってことに。ここには8才の時のわたしがいる。わたしには8才のわたしがいて13才のわたしがいて、いつか20才になって30才になって80才になるわたしがいる。わたしがここで止まったら明日のわたしが悲しむ。昨日のわたしが悲しむ。わたしが生きているのは今日だけじゃないんだ。昨日と今日と明日を生きているんだ。だから明日香、死んじゃだめだ。生きなきゃだめだ。明日香、たくさん作ろう。思い出を作ろう。たくさん見よう。夢を見よう。明日香。私たちは思い出と夢の中に生き続ける。長い長い時の流れの中を生き続ける。時にすれ違いながら、時に手を取り合いながら長い長い時の流れの中をわたしたちは歩き続ける。 明日香の思いが伝わった最終回。強い子だと思った。決して生きる事をあきらめない強い意志。こんな子が自殺するわけがない。あれは、本当に事故だったのだ。朋美は自分のせいでイジメを受け、自分のせいで死んでしまった明日香の事を言えず、ずっと心に抱えてきた。明日香の手紙を読んで、頬を流れる朋美の涙。そして、珠子の涙。珠子の裁判は無駄ではなかった。確かに、珠子のおかげで明日香は救われた。そして、朋美も救われた。学校と言う小さい世界は少しずつ変わった。では、「わたしたちの教科書」とは何だったのか。授業で学ぶことだけが教科書ではなく、経験から学ぶ人生。明日香は決して諦めなかった。そして、その思いは死を持って伝わった。私たちは学ぶのだ。喜びからも、そして悲しみからも。そうやって、世界は実は私たち自身の手で少しずつ変える事が出来るのである。よく出来たドラマだったと思う。毎回、ハラハラしたり、涙したり。。。職員室サイドの混乱。生徒たちの隠れた牙。雨木の拘りと、何をするか分からない息子、音也。そして、息詰まる裁判。そのバランスが素晴らしかったと思う。ただの学園物に留まらず、サスペンスとして楽しめ、またドラマの端々には詩のような情緒があった。ただ、終わってみると、ちょっと音也の存在って半端だった気もする。。。ハラハラさせるためだけの道具?みたいな。。。ついでに、加地の位置も半端だったかなぁ。もっと珠子と一緒に動く人だと思っていたんだけど。騙されやすい意志の弱い人間の典型として描かれた、って事でいいのかしら。朋美が救われたラストは、幸せな気持ちで見る事ができた。個人的には、すっかり更生された兼良 陸のその後も見てみたかった気がする。正直、この脚本家にこんなドラマが作れるなんて。。。私、これからは脚本家の名前でドラマを選ぶのは止めときます。多忙でブログ半休状態の中、このドラマだけは書かずにいられなかった。それくらい、私の心を打った作品でした。ドラマブロガーの皆様には、トラバやコメントが返しきれない状態で本当に申し訳なかったです。・わたしたちの教科書 第11話