【JIN-仁-】第8話
私がペニシリンの援助を決めたのは、緒形先生が援助をするに足るお方だからです。まずは、貴方様の器を見せて頂きたい。仁は、今までの30倍の効力のペニシリンを研究していた。しかし、それを作るためには四百両もの金がかかるのだった。濱口に援助を頼んだが、そんな金を出すためには仁の器を見せて貰わなければならない、と言う。先生は金策なんて出来なくても良いんだよ。人には天分ってもんがあるんだからよ。と言う勝に、仁は困った顔。濱口様に認めて頂くためにも、自分で何とかしないと・・・改めて失ったものの大きさを思う。これからは、俺が自分の手で皆の道を照らさなければならない。幕末という時代の中で。俺にそんな器があるのだろうか。このままでは命を落としかねない女郎がおりんす。と、野風に言われた仁は女郎の診察に行く事になった。女郎の名前は、玉屋の初音。名前を聞いて、恭太郎の顔色が変わる。初音は、敗血症になっているようだ、と仁は言う。理由は、無理に子どもを堕ろした事によるらしい。新しいペニシリンを使いたいが、製造するには金が掛かりすぎた。堕ろした子どもの父親は、初音が譫言に呼んでいる田之助と言う女形。仁は龍馬と恭太郎と3人で、田之助に事の次第を話し、四百両出せないか、と持ちかけた。田之助は、簡単に四百両を出してきた。しかし、この小判は一枚も渡さぬ、と言う。初音は譫言でもお主の名を呼んでいる。哀れとは思わぬのか!と、刀を抜く恭太郎を鼻先で笑う田之助。これは、私が若い頃から買われて稼いできた金じゃ。田之助の血じゃ、肉じゃ、汗じゃ。結局、田之助から出させる事はできず、金策に尽きた仁に野風は女郎たちから集めた金を使ってくれと言うが、仁は、自分が何とかしないと、と断る。そんな仁に龍馬は言う。金はわしが何とかする!先生は、早よう治療に行くぜよ。こうしている内に、初音と言う女郎は死んでしまう。田之助の鼻も明かせんし、そうなってしまっては橘の顔も潰れたままぜよ。そして、龍馬は、初音の堕胎を施術した医師に話をつけ、7年間無利子でと言う約束を交わし、四百両を借りてきたのだった。すごいですね。坂本龍馬と言う人は。器が違う・・・つぶやく恭太郎。やっと資金が手に入り、活気づく製造所を見て、恭太郎は、こうして皆が汗水流してペニシリンを作っている事を知った。この薬は、南方先生が作り出し、緒形先生がお守りになったこの世の宝でございますから。と恭太郎に言う山田医師。ペニシリンの力で、初音は回復した。しかし、龍馬が金を借りてきた医者は初めから詐欺を働くつもりでいたのだった。龍馬と交わした証書に書かれていた借金の期限は七年ではなくて、七日。医者の目的は新薬をそのまま自分の物にする事だったのだ。恭太郎は、芝居小屋に走り、田之助に頭を下げた。私がお主に身を売る。だから、四百両貸してくれ、頼む!田之助は、恭太郎の必死の姿を見、ペニシリンが仁たち皆の血や肉を削った命の結晶である事を聞き、四百両を持ってきてくれた。恭太郎は外に出て、人前で何度も何度も田之助に頭を下げさせられたのだった。武士が役者に頭を下げる。この時代では有り得ない事。そうやって自分を捨てさせる事が、田之助が恭太郎に要求した恭太郎の血と肉を削らせる事だった。ぼんくらの旗本には、それしか出来なかったのでございます。と、恭太郎は語る。この国を守ったのと同じ、と言う龍馬に恭太郎は言った。私は、あなたが嫌いでした。勝先生は、私には護衛を、あなたには海軍を作る手伝いをさせる。こうして側にいると、器の違いをいやと言うほど感じずにいられない。仁は言う。初めて会った時、私を守って斬られてくれたじゃないですか今日は私を身をもって助けてくれたじゃありませんか。恭太郎さんがいなければ、私は生きてはいられませんでした。恭太郎さんは私にとって最高の護衛なんです。仁は、結局、人に支えられ、助けられていくしかなく、自分はその恩返しを医術でしていこう、と決心する。濱口は言ってくれた。貴方の器は、あまり大きくはない。しかし、とても美しいんでしょうな。それ故、皆が守りたいと思う。それが南方仁と言う器なのでしょう。援助の道は取り付けた。そうして、やっと洪庵亡き後の道が開けた仁に、龍馬に刺客がついているらしいと言う事実が知らされた。俺が医学の時計の針を進める事で、維新の針も早く進むと言う事はないのだろうか。俺が死ぬよりも、もっと早くに。けんど、先生がおるがじゃろ。南方仁がおれば、坂本龍馬は死なん。助けますよ。俺が。この手で。しかし、嫌な予感は止める事ができなかった。 今まで、自分だけが誰にも必要とされていない。と思っていた恭太郎。自分の居場所に行き詰まっていた恭太郎に「小さな杯も良き物」だと言ってくれた初音は、初めて得た安らぎの人だった。その初音のために自分に出来る事をした恭太郎は、仁からも必要な大事な人だと言われて、やっと自分の居場所を得た。芸者だと軽蔑の目を向けていた田之助の背中を見つめる恭太郎。自分を捨て、血や肉を削って得てきたお金。田之助の背中は、さぞ広く見えた事だろう。このドラマに出てくる男は、皆カッコ良いです。皆、血や肉を削って仕事しているから。そして、人前で泣く男子・恭太郎の様子を影から見守っている妹・咲。咲もまた、自分を捨てて、仁や皆が自分を削って作ってきた物を守ろうとする。私には、先生の医術がありますから。と、静かに言う咲を思い出しあちきには、何もない。と呟く野風が切ない。何もない事ないと思う。吉原の女郎のために、野風は充分に目を配って働いていると思うから。みんなが野風を慕っている事でしょう。仁が驚愕した写真は。。。どう変わっていたのでしょう。そこに、未来の姿はあるんだろうか。そして、ホルマリンくんを持って平成に現れたあの男は。。。。。やっぱ、仁、自身ってことキャスト南方仁 … 大沢たかお友永未来/野風 … 中谷美紀橘咲 … 綾瀬はるか橘恭太郎 … 小出恵介佐分利祐輔 … 桐谷健太山田純庵 … 田口浩正タエ … 戸田菜穂喜市 … 伊澤柾樹初音 … 水沢エレナ伊東玄朴 … 小林勝也緒方洪庵 … 武田鉄矢新門辰五郎 … 藤田まこと夕霧 … 高岡早紀野口元 … 山本耕史鈴屋彦三郎 … 六平直政橘栄 … 麻生祐未勝海舟 … 小日向文世坂本龍馬 … 内野聖陽 ※最近、livedoorブログさんに時々トラバが飛ばないのです。お返しできない方は申しわけありません