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テーマ:洋楽(3392)
カテゴリ:Thursday-Night Movie
Wig In A Box / from Soundtrack 'Hedwig And The Angry Inch' この映画をご存じない方は、一瞬「これは、David Bowie?」と思われるかも知れない。 'Hedwig And The Angry Inch'は1998年にOff-Broadwayでカルト・ヒットとなったミュージカルで、当時仲間内でも大きな話題になっており、少し手間を掛けてティケットを手に入れ2度、観に行った。ストーリィ、キャスティング、ミュージック、アート、どこを取ってもかっこよくて、身体中で満足できた素晴らしいショウだった。その後2001年に映画になり、私は通常映画館へは一人で行くので、これもミッドタウンのシアターで一人、一目惚れでもしたかのようにのめりこんだ。 夫は仕事絡みでこの映画が監督賞などいくつもの賞を獲得したサンダンス映画祭に赴いており、作品とスタッフに対する喝采を目の当たりにしたこともあって、以来このサウンドトラックは、彼にとっても極めて印象深いものになった。 今夜は映画自体でなくサウンドトラックにフォーカスしたので、ストーリィなどについて詳しくお話したいと思ったが、偶然大変素晴らしい日本語の公式ウェブサイトを発見、これが、音楽も流れ映画に就いての詳細も十分に得られることから、私のつたない説明は少しも必要なくなってしまったよう。 是非是非ご覧ください。激しくて、アンニュイで、汚くてきれいで、残酷で優しい、パレットにケースの絵の具を全て搾り出したような、そんな世界を垣間見ることがおできになると思います。 因みにこのサウンドトラックは数年前、エンターテインメント誌のオール・タイム「好きなアルバム・ランキング」トップ100にランク・インしている。映画が封切りになった翌年だったように覚えている。 ミュージカルはDavid Bowieが音楽をプロデュースしていることもあって、サウンドは70年代の彼を聴くようでどことなく懐かしく、胸が少し切なくなる。きっと、女性も男性も同じように切なくなるはずだ。 ミュージックCDとして聴いても十分に楽しめるなかなかの1枚で、週末には良く聴くしドライブの時も必ず車に乗せる。これを聴くと、グラム・ロック時代を味わって来なくても、思わず「いいな~」と呟いてしまうから不思議だ。 今夜はパーティでついさっき帰宅した夫が、ウォッチを外しながら、いつもならそのまま着替えにクロウゼットへ向かうのだけれども、私が聴いていたこのCDに喜んでコートも脱がずカウチに腰掛け、「フロウトでも飲みたいね」と言った。 そう、このサウンドトラックを聴いていると、多くの友人は強いお酒が欲しくなると言うのだが、我が家では断然、ルートビアにヴァニラのアイスクリームを浮かべたフロウトだ。そして彼はちょっとふざけて、決まってこう言う。 「人生はルートビア・フロウトだなぁ。甘くて苦くて、薬っぽくて薬っぽい(前者はルートビアの、くせのある味自体を指しており、後者は所謂「ドラッグ」を言っている)。ヘッドウィグも実際、人生そのものの味がする。ってことは、ルートビアは、人間くさいってことになるの?」 付き合ってられない。 でも、映画にもサウンドトラックにも、決して夫の言葉のようにチープな香りはないので、ご心配なく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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