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DJ Kennedy/life is damn groovy

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February 16, 2010
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テーマ:Love Songs(54)
カテゴリ:Love Songs





友人ドレイクは、本当に1レッスン$220のヴォイス・トレーニングを取り始めた。
美しいアイリーンとのハーモニーの為に、彼女と釣り合う男になる為に?
何だか涙ぐましい無駄な努力と気にされつつも、そんな優しい友人達をよそに
本人至って楽しそうなので、全く心配することはなかった。

そうして、この夜がやって来る。この日の幹事は私。ドレイクの成果を披露する
大切な日、周囲にも押されて数日前から電話をしまくり、友人7人を集めた。

ドレイクはアイリーンを伴い颯爽と登場。今夜の1曲が彼の、恋の行方を左右する。


         66.jpg


今宵のカラオケナイトはコンテスト形式で、優勝するとゲスト全員分のドリンクが
フリーになり、更に店の割引券を副賞として贈呈。ここで勝てば次のデイトにも繋がる。


自由なアメリカンは、あまり他人の歌を聴かない。好きな歌には大反響、興味が
なければしゃべりに興じる、この両極端がひたすら続いて行った。

自分達のエントリー曲を店に伝えたが最後、私達も酔いが回るにつれ出場者の
歌唱力など面白がって採点していたのだが、そんな時、私の名を呼ぶ誰かの声。
振り返ると、取引先のジョンだった。

「楽しそうだね、そっちは何人?」
「7人よ、そちらは4人ね」

一通り自己紹介をして、結局同じテーブルに着いた。

ジョンは音楽道をひたすら駆け抜けてきたプロデューサーで、彼自身も歌を作るが
そう言えば、彼がマイクを持って歌う姿を見た記憶はなかった。

「あなたもコンテストに出てみたら?」
「そう?じゃあ何か歌おうかな」

ジョンの曲を一緒に選んでいるとアイリーンの名が呼ばれ、I'll Be Thereのイントロ。

「ねぇアイリーン、誰か君と歌うの?」
「いいえ」
「じゃあ一緒に歌ってもいい?」
「ええ、勿論」

ああーっ!

立ち上がったアイリーンとドレイク、じゃなくてジョンの背中を見つめる私達、全員。
無常にも彼女は連れ立ってここに来たドレイクではなく、初めて会ったばかりの彼を
誰も予期しなかった、デュエットの相手に選んでしまったのだった。

美しいメロディと彼等の初めてとは思えない絶妙のコンビネイションに、店内は魅了される。
おそるおそるドレイクに顔を向けると、目を閉じて鼻の下をアゴまで伸ばし「別にへっちゃら~」
と言った風に首を横に振っている。が、これが相当コタエている時の顔であることくらい、
私達には分かってしまうのだ。

何故今、彼等は二人で歌っているの?とんでもないことしてくれちゃったわ、ジョン。
本当は彼女の横にはドレイクのはずなのに。これは誰の運命?ドレイク?私?彼女?彼?

ドレイクの野心はここで折れた。男らしいジョンの誘い、洗練されたエスコート。アイリーンが
気に入らないはずもない。大喝采を浴びながらステージを下りると、二人は隣合わせに
腰を下ろした。

それから1時間が経ち、アイリーンとジョン、ジョンのお仲間は帰って行った。
皆ドレイクにかける言葉がないが、ジョンは私の知り合いだ。私だけは何か言わなければ。

「ごめんね、ドレイク」
「どんなことしても埋め合わせしてよね」
「うん」

天はここまで残酷か、彼女が去ったすぐ後だと言うに、彼の順番が回ってきた。
「あ、俺だ」の声が虚しく沈む。「歌うの?」と聞いてしまうKYな私。
「ナンで?歌うでしょ、歌いますよ」


       14.jpg


プロに着いてまで体得した歌唱力を、彼はきっとスウィート・ソウルで聴かせるの
だろうと思っていた。がフタを開けてみると「ド官能系」R.Kellyだ。一同失笑...

...のはずが。彼の歌の上手さや、もともとが黙っていれば(=釣りの話をしなければ)
なかなかSexyな男だけに、あの曲を歌う彼の姿には、さすがに私も他の女子友も
ちょこっとクラッとなったりした。店内の女性客は総立ち、そしてまるでメイル・ストリップ
でも見るようにステージに駆け寄っていく。いい気になって腰を振るドレイク。

テーブルを回るフラワー・ボーイ(恋人達のテーブルをまわり花を売り歩いている)の
一晩分のバケツが空になるほど、ドレイクの足元は彼女(あるいは彼)達が投げたバラの花で
いっぱいになり、果てにはご祝儀の$1が舞っていた。

店の採点方法は、エントリーナンバー1番から読み上げた時の拍手の大きさ。
真ん中辺りでビートルズのSomethingを見事に歌い上げた男性の受賞を黄色い歓声が
妨げ、この夜のスターはドレイクに決定した。

帰り際、「素敵だったわ」「名前を教えて」と次々に肩を叩かれるドレイク。
「なんだ、俺シンガーになればよかったかなぁ」とはにかむ彼は本当に素敵な人だ。
恋の為なら何にでも挑み、そして結果恋は成就しなくとも、どれも必ず、その後の彼の
魅力を深めるものになっていく。ドレイクはきっと、私が一生のうちで出会うカッコイイ男性の
トップ3から脱落することはないのだろう。

こうして、恋のカラオケナイト大作戦は、華やかなる大敗に終わった。
でも今夜もきっと、第2のドレイクが大いなる野望を抱いてステージに上がっているんだろうな。


(おわり)


From 90s

loveis.jpg mariah.jpg ericbenet.jpg BoyzIIMen.jpg
(Click and enjoy the music videos! Good for duets!)


From 00s

AnthonyDavid.jpg TimbalandKeriHilson.jpg EnriqueIglesias.jpg Nelly.jpg



ドレイクの優勝受賞曲。これを歌うと、モテるみたいです。

R.Kelly.jpg



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Last updated  February 17, 2010 12:17:23 AM
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