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テーマ:洋楽(3359)
カテゴリ:Soul Saturday
そこそこ生きていたけれども、私には一目惚れの経験が殆どない。 あってもおそらく本当に、1度2度の話である。 もう25年くらい前になると思うが、確かにその頃の2月27日。 NYは大雪の後寒波が続き、昼間でもマイナス10度の極寒の世界だった。 夕方私はラジオ局のリーアンとミーティングの後、その夜彼女が主催していた ダンスパーティのトラックを選びに一緒にレコード店に寄った。ブロンクスの 彼女のアパートメントへ一人で行くのは躊躇われ、友人とキャブで行くと言い レコード店の前で別れた。 約束の8時まではまだ当分あり一人ミッドタウンを歩いていたが、あまりの寒さに ふと、自分が空腹であることに気がついて近くのピッツァリアを見つけ、早足で 向かった。 突然、背後から何やら大声が聞こえて、誰かがドン!と私にぶつかった。 驚いて振り向くと、その男は全速力で南へ走り、後から警官4人が追って行った。 この程度なら、当時のマンハッタンでは珍しいこともなく、別段何とも思わずに 私はピッツァリア目指して足を進めると、「何ぶつかられてんの?」と誰かが声を 掛ける。振り向くと友達で、お互いに歯がガタガタと震えているのに数分そこで 立ち話をした。 「寒いね、また」と冷たい唇で言い大急ぎでピッツァリアに入った。 カウンターから一番近い席に通されると、4チーズピッツァのスライスをオーダーして その前にコーヒーとホットチョコレイトを両方持ってきてもらった。 ホットチョコレイトの甘さが体中に広がって、徐々に体温が戻ってくるのを感じた。 店内にはパイの香ばしい香りが漂い、そろそろ私のピッツァかな?と思った時、 店の奥から忍び足で入ってくる2人組。 黒っぽい洋服を着て、彼等はそうっとカウンターの下に隠れた。私がそちらへ目を 遣ると、そのうちのひとりが口元に指を当てて声を出さずに「静かに」と言っている。 おそらくさっきと同じ警官達だ。「何ともないね」が「何とかして~」に変わり、 私はもうピッツァどころでなくなった。どうやらさっきの、何をやらかしたのかは 知らないが、とにかく犯人がこの店にいるのだろうと察しがついた。と、次の瞬間。 つづく その夜、リーアンのパーティに選んだ曲 にほんブログ村 Thank you so much for all your support! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 28, 2010 12:43:30 AM
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