160235 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

DJ Kennedy/life is damn groovy

DJ Kennedy/life is damn groovy

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Category

Recent Posts

Favorite Blog

Free Space


AX

April 13, 2010
XML
テーマ:Love Songs(54)
カテゴリ:Love Songs



63.jpg



"パチン"


そう私には聞こえた。そして目の前で、車のバックミラーにかけた私のロザリィの
チェーンが切れて落ちたのだ。私達は顔を見合わせ動けなくなる。今起きたこれは、
有り得ることなのだろうか。例えばチェーンが古かったとしても、突然はじけ飛んで
落下するなど、考えられるのであろうか。


立ち入ってはならない場所に居るような気がして車のエンジンを掛けるセバスチャン。
が、Four Cornersへ行ってひとしきりそこで過ごす間も、私達はどうしてもあの岩山が
気に掛かり、やはりもう一度戻ることに決めた。




 1.jpg




再びあの岩山へ向かう頃は日もだいぶ傾き、土地勘の無い私達は何とか暗くなる前に
あの岩山をもう一度だけ見ようと、ただひたすらに走った。


岩山は、見えていた。が、行けども行けどもなかなか辿り着かない。あの巨大な岩と
私達の距離は、きっとここまで見えていても相当あったろう。日暮れも近付き、私達は
ここで近付くのを諦めた。と言うよりむしろ、これ以上は距離的にも精神的にも近寄れ
ない気がしていた。




 2.jpg




私達の抱いた恐怖感は、普段感じるようなものではなかった。文明人の愚かな理解を
拒むかのような嘲るかのような、崇高な孤独感。それから速度を上げて変わっていく
この世界をじっと見据えている厳しい眼差しをも持っているように思えた。



 3.jpg



途中、さっきの岩のような、やはり強い恐怖感を与える岩に出会った。


「外に出て見る?」そう夫に言われたが、足を踏み入れる勇気がなかった。どうしても、
ただ無造作にそこにある岩山ではない何か、気のようなものを感じずにいられない。



 4.jpg



日が暮れて、私達はモニュメント・ヴァリィへ向かった。ここで見たMittens(ミトンという
名の岩山)も大きかったが、さっきの岩山を見た時のような感情は湧かなかった。



 6.jpg



更に私達は西へ走る為車を走らせた。暫く走ってふと辺りを見ると、前方にあの岩の
頂上が見えた。全てを知るもののような存在感は、どんどん小さくなって見えなくなるまで
私達を捉えて離さなかった。



 7.jpg



NYに戻ってから、ある週末にRV3台を連ねて出掛けたキャンプ地で夜、友人達に話した。
そこに居たメンバーのうち6人が現地を訪れており、さすがにロザリィが切れるようなことは
聞かなかったが、私達に起きたことに関しては、「あそこは磁場が荒れているのではないか」
「乾燥している土地だから、強い静電気が原因ではないか」何とか科学的に証明しようとする
意見交換が続いた。が確固たる見解は見出せず、しかし興味深いことには、全員がやはり、
ある種の恐怖を感じて近づけなかったと言ったのだった。


そして後日、市立図書館内を、あの岩山に関する書物を探して回った。


この巨大な岩山には名前があった。"Shiprock"シップロック=船の岩)。
大海原を波を切り走る、将に巨大な船のよう。


現在の標高は568メートルで、3000万年前の火山の名残であると考えられている。
ナバホ族はこの岩を「ツェ・ビタイ」=翼の岩、翼を持つ岩と呼び、ナバホ族にとって
歴史的・宗教的に最も重要なポイント、地域とされている。


そしてやはり、シップロックには数々の神話・伝説が存在した。その一つを挙げると、


ナバホ族の祖先達は、遠く北西部から好戦的種族から逃れる為に海峡を渡った。
シャーマン(宗教的指導者)は精霊に救いを祈る。その時、彼等の足元から地上が
盛り上がり巨大な鳥となった。

鳥は一昼夜南部へと飛び、日没の時、ようやく現在シップロックが佇むこの場所に
降り立ち、ナバホ族はここを安住の地としたと言う。



 
   29.jpg



シップロックが生んだ伝説により、この岩峰と周辺区域(Shiprockは町の名前にも
なっている)はナバホ族にとっての聖地として大切に守られてきた。


1939年、初めてあるグループにより少なくとも7つのルートからの登頂が試みられたが
どれも非常に難しいとされ、そのことが更にロッククライマー達を魅了した。けれども、
シップロックに宗教的深い思いを抱いて生きてきたナバホ族へのリスペクトを無視して
いるとされ、1970年、シップロックと周辺区域への立ち入りが禁止された。現在、この
岩峰間近に人の姿を見ることはない。



私達が、日常の中で触れることの少ないナバホの宗教観を身近に感じることはおそらく
殆どないだろう。深い理解を示そうにも相当の知識が必要で、かなりの時間を要するはずだ。


彼等の歴史や宗教を知らない私は、こう思った。 「不思議なこと」
これを私達は、この世にはあるはずもない道の世界の物事であると感じていることが
多い。けれども実は、例えばこのシップロックにしても所謂パワースポットにしても
水晶の魔力にしたって、皆遠い昔の先人達が残した伝説で、そういった人達からの
これ等は美しいこの地球を破滅へ追いやろうとしている文明人へのメッセージなのだ。
人は自然に生かされているのを忘れるな、清く存在していた頃の世界へ立ち返れ、と。


世界中の自然環境が崩壊の一途を辿っている中で、私達は真剣に、次の世代へ
美しい地球を手渡す為の努力を続けていかなければならない。あの岩、いや鳥は
今もナバホの人達を、世界を見守っているかも知れない。


あの岩峰を見た時、そして今も写真を目にするたび感じる威圧感は将に、シップロック
からのPK(Psychokinesis:サイコキネシス)=念力であろうと私は受け止めている。



Faces.jpg Essential.jpg ThatstheWayoftheWorld.jpg AllnAll.jpg
(Click and enjoy the music videos!)

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Thank you so much for all your support!















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  April 14, 2010 03:57:32 AM
コメント(1) | コメントを書く
[Love Songs] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X