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カテゴリ:DJK The Tokyo Walker
¥1200に翻弄された男達の小話。 5月某日、ある店で。 夫が瞳を輝かせ「いくらだと思う?」と言う。手にはなかなか素敵なマジョリカの薬草壺を 持っている。「そうねぇ」と私が必死に考え「¥3000!」と言おうとするのを振り切り自ら 「900Yenだって」彼は声には出さずに笑っている。自分の手柄が嬉しくて仕方ない様子。 よく調べたが、どうやら正真正銘本物だ。勿論即買い。薬草壺などNYの家にもない。 ここで買って、NYへ戻る時には持って帰ろう。 その後、こちらも我が家でコレクトしている洋梨のかたちをしたスペイン製キャンドル・ ホルダーも発見、これは良い買い物をしたと踊るような気持ちでお会計へ持って行った。 値札には、確かに壺が900円、キャンドルホルダーが800円と書かれていた。 定価で考えれば有り得ないお値段。 夫がこの二品をカウンターに置くと、お店の男の子がこう言った。 「2点ですね。こちら(壺)が900円で、こちら(キャンドルホルダー)が300円ですね」え? 夫は私を見ずに硬直している。800円を300円と読み間違えているのだ。人の良い彼は すかさず、「合ってる?大丈夫?」 店員「はい, Yes, OK」 店を出てからの本人談だが、この時夫はもの激しく動揺していたのだそうだ。致し方ない、 それでなくても激安も良いところと言うのに、快く1700円を支払おうとする客に、 まさかまさかの500円ディスカウントなのだから。そして更に。 「ではこちら、900円と300円で、1100円ですね」 目が点のセバスチャンである。でも彼は人が良いから「違うよ違うよ、1200Yenだよ」 ちょっと男の子を嗜めるように笑う夫。しょうがないなぁという顔で彼に手渡す1300円。 え?私は我夫を二度見した。 そして「あ、多いですね」と笑うその子がセバスチャンの手元に戻したのは200円。ええ? 双方計算ができないのではない(に違いない)。¥1200の不思議に弄ばれているだけだ。 そうして無事に、2点合計¥1200が決着し私達は店を後にするのだが、何故だか夫はレジを 離れる時、彼に右手を差し出して握手を求めていた。気の良い2人の微笑ましい光景だった。 今、気に入ったものがまた2つ増えて、とても幸せな気分でリビングルームにいる。が夕方、 ラップトップを膝に載せてある原稿の字数を計算していたのだが、私は3度までも間違えた。 まさか、この壺を置いておくと計算ができなくなる、なんて魔力があるわけは、ないよなぁ。 こんな1日にはSly. (Click and enjoy the music videos!) Thank you so much for all your support! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 7, 2010 01:34:23 AM
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