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August 2, 2010
テーマ：Love Songs(54)
カテゴリ：Love Songs
 「夏の恋は夏に消えない」 夏に出会った恋愛は長続きしないと、一体誰が決めたのだろう。 実際にそう思わなければならない悲しい結末があったとしても、何も 夏の恋に怯えてしまうようなニュアンスは、女性の心（あるいは男性も？）に 植えつけてしまってはかわいそうではないか。 8月のバカンスをバハマで過ごしていたソニアはケベックからの旅行者ジャンと 恋に落ちた。私は彼を知らないので彼に関しての記述をできないが、旅から戻った 彼女を見れば、出会ったばかりで燃えあがった恋がどれ程に熱いものだったか、 一部始終を尋ねなくても想像ができた。 「彼はきっと特別な人になる」そういうソニアの言葉には自信に満ちた女の勘、 と言うより彼を信じようとする強い意志が感じられた。 けれど、互いに旅が終わればニューヨーク、ケベックとそれぞれの場所へ戻って行き これも想像が容易だが、連絡は途切れがちになる。不安に焦るソニアは同僚から 「良く当たる」と評判の占い師の場所を聞き、その日の夕方彼女の門をたたく。 「悪い気は出ていない。けれどあなたの心配が二人の恋をブロックしている」 占い師のアドバイスはこう。 西には恋を成就させる気が流れている。西の水辺へ行き、足元の小石を拾いなさい。 小石に自分の不安を全て注いで水の中に捨て、後ろを振り返らずすぐに帰りなさい。 そうすればきっと、また門が開く。 普段ならそんなおまじないなど信じる彼女ではない。けれど熱烈な恋に落ちた女性には 理屈も道理もないのである。 その足で彼女はハドソン川へ向かい、川の畔で必死に小石を見つける。ニートに整備された マンハッタンでは彼女の求めるものを見つけるのは至難の業だった。 ようやく見つけた小さな石に祈りを込めて、彼女は思いの限り遠くへ放った。 小石は音も立てずに水面に消え、それを見届けると言われた通り、ソニアは 後ろを振り向くことなく帰路を戻った。 ジャンからの電話は4日後にあった。「忙しくてなかなか電話ができなかった」 彼の言葉をソニアは信じなかったが、心に忠実だった自分を誇りに思った。 彼等の恋は夏の終わりを通り越して、次の夏に実を結んだ。 ソニアの話は実話だけれど、西の水辺と小石のおまじないが本当に効くのか 効かないのかは、きっと恋するあなた次第。 大人の恋はしっとりと熱い。    (Click and enjoy the music!) お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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