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DJ Kennedy/life is damn groovy

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January 11, 2011
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テーマ:Four Seasons(6)
カテゴリ:Homesick


157.jpg






上の写真は、1月のHudson River。
河畔は私の郊外の家から車で10分程の駅の裏で、対岸の山(実は崖)はNew Jersey,
そしてご覧になれるだろうか、左上のぼんやりと浮かんでいる一連のギザギザ。
これ、マンハッタンの高層ビル群である。その年にもよるのだが、冬真っ只中の今頃は
たいてい水面が凍りついて、きっと歩いてNJまで行かれるだろう、いやいつの日かきっと
実現させてみせよう、などと無駄なチャレンジ精神を起こさせる程の魅力が見て取れる。




私は、こうした川や湖の凍った水面が大好きだ。だから写真まで撮ってしまう。
理由は1つ。憧れ。子供の頃から、ある筋(=両親)に異様とも言われる好奇心の持ち主は
とにかく気持ちが向けば何でもしたくなったのだが、リンクに通う友人達を尻目に不本意にも
アイススケートだけは禁止されていた。ピアノを習っており、誤って指を怪我してはいけない
という、本人を無視した父と先生の間の取り決めだったようなのだが(これを話すのは今日
までに2回、自分の中でも「ダサい私」リストのトップ3に余裕でランクイン)、とにかく、以来
氷上を滑る自分を想像してはうっとりし続け、気付けば相当の年月が経ってしまった。




New Yorkは、日本では青森県辺りと緯度が同じだと言うことでどれだけ寒く、あんなに
大きな川がいとも簡単に凍りつくかご理解頂けるかと思うのだが、1月から雪解けの始まる
4月初めまではしっかり凍って、湖や池は地元っ子のスケートリンクになっていたりする。



何とも羨ましい限り。
学生時代、クリスマスの休みにDebbieと二人で食事をした帰り、この場所に立ち寄った。
その時彼女にも私の「氷への憧れ」を話して聞かせると、



「歩いてみればいいじゃん。NJまで渡って行けばいいじゃん」



そう言うのである。考えたこともなかった。実際に試してみたいと思ったこともおそらくは
なかっただろう。ただ空想の中でだけ氷の女王(私)は季節が作り上げた自然のスケート
リンクを、しかも貸切で滑ることができれば満足だったのだ。しかし今、この意地悪な悪魔、
いや親友の軽い一言に、長年の欲望が夢の世界から目の前にスポッと飛び出してしまった。
「やってみたい」この衝動に勝つには、別の冒険を見つけるか、予算を超えたショッピングを
楽しまなければならなかったが、この夜はどんな誘惑も私を諦めさせることはできなかった。



「誰もいない?」



Debbieに見張っているよう告げ、更には「あなたも来る?私の後に着いて来てもいいわよ」
とか何とか言った覚えもある。彼女は当然首を横に振る。



「こういう楽しみは独り占めしないと」



やんわりと「そんなこと、私ができるとでも思って?」と言っているのである。私だって、
大学生にまでなって、くるみ割り人形に乗せてHudson Riverの上をトリプル・トー・ループ
しようだなんて思ってやしない。ただ一歩、ほんの一歩だけ氷の上に降り立ってみたいだけ
だったのだ。





          img069.jpg
                     from my window





周囲に誰もいないのを確認し、私は冷たい防波堤の上に腰を下ろすとDebbieに背を向けて
着陸準備の心構えに入った。さぁ、いよいよ私の願いが叶うんだわ、と思ったその時。



「うわぁー、何してるの?危ない危ない!」



今の今まで人っ子一人いなかったはずなのに、私がミッションを遂行しようとした瞬間に、
レストラントから店のバスボーイが出て来て私を止めたのだった。ああ、見逃して、
1分でいいから、30秒、いえ15秒でいいから黙ってて。



けれど氷点下のNew Yorkで、しかも見るには頑丈な川の表面も、実際人が歩いているところ
など見たこともなければ、そんなことは有り得ない訳なので安全かどうかなんて分からない。
彼が止めるのも無理はない。それどころか私が入水(入氷・・・?)自殺を図るところだと
一瞬勘違いしたと言う。



涙ぐましい少女時代の私の夢は、一旦は現実味を帯びたもののやはり実行に至ることなく
終わり、Debbieは防波堤の上で肩を落としてうなだれる私を眺めて大笑いしていた。
あの時の魔女顔は今も忘れない。どうも私の女友達にはサディスティックなのが多い。




虚しく消えた私の氷上デビュー。
そして悲しくもまだこの願いを持ち続けている。あ、Hudson RiverをNJへ渡って行かれたら、
なんてことはさすがに考えなくなった。近所の池を、愛する人に手を引かれて優雅に滑る、
よりもおそらくそこを住処にしているダックやグースと一緒にペタペタと歩くのがいいところ
であろう。けれど、それすらいつになることやら。






 今夜は、The Beatles以降のPaulの曲から我儘なlineupで。"Maybe I'm Amazed"は、
 何度かご紹介しました。私のAll-Time Top 10に入る、本当に昔から大好きな歌です。
 Paulは、冬の精。普段はGroove Girlの私もこの季節は彼のlove songsを聴きます。
 PaulTomorrow.jpg PaulJunk.jpg PaulSillyLoveSongs.jpg PaulMaybeImAmazed.jpg
 (Click and enjoy the music!)




















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Last updated  January 12, 2011 02:29:51 AM
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