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テーマ:Love Songs(54)
カテゴリ:Love
「海に連れてって」 Valentine's Day giftのお返しは何がいい?と尋ねられた時のシミュレーション。 カラフルなパラソルの花が咲き乱れる真夏のビーチより、人気のない、今にも雪が舞いそうにどんよりと曇った、冬の海が好き。空にも水面にもグレイがかかって一面が溶け合う様子にはどこか安心感がある。そして静かで、寒くて、こういう海辺こそ二人だけの、素敵なピクニックができるのだ。 場所は一人では決めない。海ならどこでもいい、というわけでもないけれど、あまりに用意周到でも、自分自身にさえ興醒めしてしまいそう。ただ、こんなことを考えている時点でかなり計画的ではある。とにかく、目的地は二人で相談して、クラブやバーの少ない静かなリゾートを選ぶ。 ドライブは、途中コーヒータイムを挟んで3時間。長い会話をいくつできるだろう。波の音が聞こえるホテルにチェックインすると、フロントで「では、のちほど」と会釈される。荷物を置いてから5,6分休んで、日の暮れないうちに散歩に出掛けよう。フロントデスクに寄ると、コンシアージが大きなバスケットを手渡して、こう言ってくれる。「楽しんでいらっしゃい。」 外は潮風が頬を切るほどに冷たいけれど、防寒重視で着込んだスノージャケットのおかげで体はぽかぽか温かい。それに心も温かい。10分も歩いたら、「ここが良さそう」と思える場所に出会える。さっきバスケットと一緒にもらった大きなバスタオルを広げて腰を下ろし、ようやく覆ってあるクロスをはずしてみる。中にはモエ・エ・シャンドンのロゼと4種類のチーズ、小さいクロワッサンのサンドウィッチ、べリィやカットされたパイナップルなどのフルーツ、そしてグラスが2客入っている。 極上のスナックタイム。サンドウィッチが美味しくて、グルメな話で盛り上がる。お尻の下のビーチの砂は体を冷やすけど、そんなことはどうでも良いのだ、少なくとも今日だけは。今、この時間を大切にしたいのだから。そうしてやがてワインが二人に魔法をかける頃、どちらからともなく、「今日はここに来られてよかったね」そして「出会えて良かったね」そんなやり取りにも酔ってしまうのだ。 ここに来てからずっと空は、雪の素をいっぱいに蓄えてすぐにでも降り出しそうだったのに、ふと気付くともうあと数分で沈んでいくという時にサーッと雲が切れ、その間から鮮やかなピンクの太陽が今日へ別れを告げ傾いていくのが見えた。「わぁ、すごいね」肩を寄せ合って太陽を見送ると、冬の夕暮れは速い。気付けば遠くに灯台のライト、二人の心にも灯りがともる。「今日を、ずっと覚えていようね」と約束したらその後は、ワインの魔法と頭上を漂う天使のご機嫌に任せれば良い。2月の半ばにむくれている天使なんて、いるわけがないのだし。 「海を見に連れてって」は究極の、「今夜は帰らなくていいの」なんて古臭い上に品のない言葉よりも数段効果的な、女性から男性への口説き文句だ。 .....海に連れて行ってくれる? 心地良い、懐かしいナンバー。それにしてもRobert Plantって何でこんなに素敵なの? (Click and enjoy the music!) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 19, 2011 06:08:41 AM
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