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DJ Kennedy/life is damn groovy

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March 22, 2011
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テーマ:Love Songs(54)
カテゴリ:Love Songs


704.jpg






今日は朝からずっと外に出ていて、デスクに向かうのが今になってしまった。



日中あちこちを歩き回って、体が冷えて困った。東京でこれなのだから、東北の春はきっとまだまだ遠く、被災地で頑張っている人達の健康がとても気掛かりだ。





ミーティングが終わるとそのままランチということになり、都内のホテルで食事をしている時、グラッときた。久し振りに外で地震を感じたので一瞬驚いたけれど、もっと驚いたのはこれだった。


「ぐひぇ~」


少なくとも私にはそう聞こえてしまった。一緒にいた女性のひとりが、地震を感じた瞬間に叫んだ声である(ごめん!)。すると、やはり一緒に食事をしていた男性のひとりが、


「それ、女性の声じゃないぞ。なんか、架空の生き物の声だ」(それはどんな生き物だ?)
「いいですもん、私、次は男に生まれてくるんですから」


それまでこのテーブルの話題は「災害時の保存食」であったのが、彼女の一声「次は男に生まれたい」で一変した。新しい議題は勿論、「来世では男性と女性、どちらに生まれたいか?」である。


今日、男性は3人いたが、3人ともがハレンチな理由から「女性になりたい」と笑っていた。「ぐひぇ~」と言ったA女史は男性に、そして私の可愛いチップBでさえ、次は男性になってみたいと言った。


「ケイトさんは?あなた、女性に生まれたいでしょう?」


図星。どうして分かるの?


「いえ、何となく」


そう。私は次も女に生まれたい。男性として生きる自分が想像できないし、あまりしたくないかも。女性として生まれて、勿論いろいろなことがあったけれど、私は一度も後悔したことがない。そう言うと、


「ああ、楽しい思い出ばっかりなんだ?」


そうではない。私にはしっかりとした理由があるのだ。




                   Forget_Me_Nots_and_Basket_1907.jpg



昔々、ある夏の夕方。私は4つ、5つにも関わらず、夕涼みという実にいなせな趣味を持っており、日暮れで空の色が変わり始める頃、庭の隅にあったブランコにひとり座って瞑想に耽った。(瞑想・・・妄想?これは永遠に治ることのない私の最大の癖。)でなければ、大抵庭で竹馬に乗っていた。かなりの名手だった。母が8ミリに残していたら、YouTubeに載せたいくらいだ。きっと、ちょっとした話題になっただろう。「地上120センチを竹馬でスキップする天才少女」本当ですのよ。


すると、お隣から微かに聞こえる透き通った歌声。ブランコを下りて反対側のフェンスへ走って行くと、お隣に住む幼なじみ、アンのお母さんが歌を歌いながら花壇の花に水をやっていた。


私は、エレガントな彼女がとても好きだった。うちの母もおしゃれでかっこいいと思ったが、奈何せん男まさりのあの性格にはタジタジだったので、彼女の、フェルメールの絵になりそうな美しさと儚さに、少女ながらにとても憧れていたのだった。


「まぁ、ケイトちゃん。ごきげんいかが?」


そう尋ねられるだけで、哀れなものだ、「お仲間意識」に胸が躍って躍って仕方なかった。ただ、彼女の横で、彼女の醸し出す雰囲気をおすそ分けしてもらうのが好きだった。だから私はこの人といるとき、余計なことを言ったことがなかったはずだ。


そうして、いつも決まって「上々ですわ」(誰かがこう答えるのを聴いて真似していただけ)と言うと、あとは黙って彼女の横に立っていた。彼女は笑顔で立ち上がると私から離れ、どこからか、いつもアンが座る小さなベンチを花壇の前に持って来て、私を座らせてくれた。


そっとまた始まった、細くて高くて優しい彼女の歌声をしばらく聴いてから、「何のお歌?」と尋ねると、彼女は「忘れな草をあなたに」という歌だと教えてくれた。彼女が水やりをしていた花が、忘れな草だった。私は植物図鑑が大好きで、幼稚園に通う頃には花の名前もだいぶ知っており、小さくて清楚なこの花も大好きだった。歌の意味など理解できる訳がなく、でも自分で育てている忘れな草を愛でながら、忘れな草の歌を静かに歌う彼女があまりに美しくて「私も、こんな女の人になりたい」そんな壮大な夢を抱くようになってしまった。


この日から、彼女が私の理想の女性なのだ。




         「忘れな草をあなたに」
          倍賞千恵子.jpg




世の中には、素敵な女性が数え切れないほどいる。世界を相手に走り回るビジネスウーマン、敏腕女医、弁護士、教師、容姿の美しさで人々を魅了するモデル。お手本にしたい人はたくさんいるけれど、でも私の理想は、優しくて、さりげなく細やかで、とても聡明なのにそれを決してひけらかしたりしない、本当に、忘れな草のような女性らしさを持つ、幼なじみのアンのママなのである。


因みに理想とは、追っても追ってもなかなか追いつけないから理想なのであって、つまりは、私は現世において、到底彼女の領域にはたどり着けそうにない。「理想」の他に原因があるとすればそれは、私の本来持っている性格と、そしてもう一つ。家に帰れば私を見るなり、


「ヘイ、ケイト!今日は何かヒップなことはあった?」


と、こちらを見もせずペンを走らせる私の母だ。アンのママと・・・いや、比べるのはよそう。マーガレット・サッチャーも真っ青なこの「鉄の女」から私は生まれてきてしまったのだから仕方がないと、肩を落とすしかあるまい。



でも私は、何度でも女に生まれたい。女として生まれて、きれいなものが大好きで、素敵な人達と巡り合って、たくさん恋をして、結婚もして、思い出したくないことだってあるけれど、私は私なりにノーブルに生きてきたつもりだし、後悔なんてない。だから次もその次も、また女に生まれたい。


 

                            ご存知ですか?素敵!
                            トワエモア.jpg
 


「忘れな草をあなたに」を聴いていたら、大好きなこの曲を思い出した。邦楽は滅多に聴かない私の中の、「DJKのAll-Timeロマンティックな歌トップ10」に確実に入る歌。メロディは勿論だけれど、歌詞もとても好き。「さがしてた愛がある」探していた愛を見つけたという感覚ほど強烈なものはない。愛が何かも分からない幼い頃から今もまだ、この曲を聴くたびに切なくなる。純粋で上品な、本当に素敵な恋の歌だ。きっと私は一生この歌を、初恋を夢見るような気持ちで聴くのだろう。





今日、地震が多くありませんか?さっきからPCの「緊急地震速報」が鳴りっぱなしです。
気をつけましょう。地震にも、地震酔いにも。



























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Last updated  March 23, 2011 02:13:43 AM
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