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"Lisboa - walk with pathos (5)" will be posted by Jan. 9th. Thanks :) 去年、もう去年の話か。 初めてのポルトガル旅行をもっとのんびりと楽しめたなら、私にはやりたいことがいくつかあったが、そのうちのひとつがこれ。瞼の奥に残る風景を辿る旅。最初に白状してしまうが、私はせっかくリスボンに行きながら、楽しみに計画していたことは何一つ実現させることができなかった。けれど今振り返ってみると、成し遂げようと歩いた時間だけでも十分に愛しいものになっている。 友人が時折私に見せてくれた何枚もの風景写真を、私は忘れられずに今もよく思い出す。そのうちの1枚が、黄金に輝く太陽と陽光にきらめく大西洋。日は傾いてはいたものの、サンセットまでにはまだ1時間はあっただろう。足元は岩肌で崖ではなかっただろうか。その場所がどこなのか、私は結局彼に尋ねることができなかったが、私はそれがロカ岬だろうと思っており、どうしても同じ海を見たくてニューヨークの友達とふたり、岬へ向かった。 が、途中道に迷ったり、彼女が仕事に使う風景探しに時間を費やしたりして結局ロカ岬に到着したのは、私が見たかった写真の瞬間よりもだいぶ後だった。彼女は私に何度も謝ったけれど、私はなんとなく、写真の海はやはりロカ岬から撮ったものではなかったかと思えてならず、それだけで温かい達成感に微笑むことができたのだった。 翌日、時間の許す限り私達はもうひとつ、私の描いたイラストを頼りに少女のように無謀であどけない小旅行をする。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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