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DJ Kennedy/life is damn groovy

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May 10, 2012
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カテゴリ:Diary



天才と言える人に出会ったことはありますか?



こんな私でも多くの人たちと接してきたし、その中には輝くような才能を持つ人もかなりの数いらっしゃる。そうした人たちと交わるたびに、その眩しさに恍惚感すら覚えるのだが、そういう感覚とは別に、明確に「尊敬」した天才を私は見た。



DJKはDJKらしくもなく病気を抱えることとなり、つい2日前も全身麻酔による検査の為に病院を訪れていた。早朝からの検査でも、朝のまだ冷たい風に散歩気分で病院へ向かう。



検査で全身麻酔、一体何の検査?まあ良いとして、問題は点滴だった。私は血管が細くて針が入らないのだそう。ナースが試みること4回、遂に救世主現る。私の主治医である。



ドクターは私の左腕を見回しさすって、手首のすぐ上に狙いを定め、優しい声で「ごめんね」と呟き静かに針を入れた。腕の先の方は痛みが強いと聞いていたが、まったくと言っていいほど痛くはなかった。が、良い血管は見つからなかった。



今度は右手の同じ場所に。チクリともせずに入り、彼がナースに薬を流すよう促すと、ナースはため息をつくようにドクターの手元をじっと見つめ、



「さすが・・・」



ドクターは穏やかに無言で姿勢を直しナースに指示を与えると、ナースはドクターに代わって私の前に立ち、右腕を乗せていた台に触れた瞬間、私の腕が動いた。



「あ、はずれた!」



その場を去ろうとしていたドクターは振り向き、「ほんと?」



普段ドクターは私と英語で会話をしてくださるが、この時は私もさすがにしっかりと日本語で、「ごめんなさい」と何度も言った。「せっかく」周囲にそんな空気が流れた。



彼はこちらを振り返り、再び私の両腕をさすりながらポイントを探してくださるも、なかなか見つからない。遂には「うーん、麻酔なしでやってみようか」その言葉に思わずビクッ!



"One last try, pleeeeease..."



本能むき出しの私。まったく何と面倒な患者かと、などとは、彼は立派な内科部長であるので思うはずもなかっただろうが既に6か所にテープが貼ってあり、「傷だらけだな」と憐れんでくれるように言いながら、傷のない場所はひとつ。左の手の甲にドクターは彼の指を当てて言う。



「手背か。だけどここ、痛いんだよね」



しかし「せっかく」を無駄にしたのは私である。それに私は痛みには強いのだ。多少のことなら。でもいつかママがそこに打つとすごく痛くて動かせないって言ってたな。でもこれ以上ドクターに迷惑はかけられない。何だかめちゃくちゃにいろいろなことを考えながら、ええい!



「I'll be fine. 痛くてもいいです。Please?」

「じゃ、手背でいきます」



ドクターは再び腰をかがめ、ナースから針を受け取るとすっと私の肌に通した。



やはり、チクリともしないのだった。痛いはずなのに、ちっとも。世に言う「ゴッド・ハンド」という言葉が浮かんだが、私が彼を天才と思ったのは他にも理由があった。ドクターはかなり長い間私の点滴に付き合ってくださったが、その間私はまるで痛みに対する恐怖を感じなかったのだった。勿論、知識も技術も最高級と言えるのであろうが、患者に彼を信頼させる、あれは何だろう、人間性か、それともプロ魂か、いや両方に違いない、名医とは何かを知り感激した。



検査が終わって2日経つと、注射の後が青くなっている。まるでこれ、私が一生を通して知ることのない、知らない薬でも打ったかのような(と言ったって見たことがあるのは映画の中だけ)腕である。醜くて半袖など着られないが、私がこの傷を見るたびにまた改めて、一生懸命人生を歩いている人の素晴らしさに、自分自身の細胞を浄化してもらっているような気分になるのだった。





余談だが、検査中私は夢を見ていた。美しいお花畑を眺める夢だ。とても幸せな気分で、麻酔が醒めてからドクターの診察があったが、その時彼のおっしゃったことは殆ど覚えていないのに、夢の中のお花畑や太陽の眩しさは今も鮮明に残っている。これは、麻酔マジックか?ちょっと怖い。






                   私にとって一番気持ちの良い曲。 

           



























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Last updated  May 11, 2012 02:09:38 AM
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