デセプションポイント
『ダヴィンチ・コード』『天使と悪魔』に続き文庫化された、ダン・ブラウンの小説です。 『ダヴィンチ・コード』と『天使と悪魔』は宗教象徴学者ロバート・ラングドンのシリーズということで、キリスト教にまつわる物語が展開されていましたが、本作の素材は異なります。 NASAと大統領選挙。 主人公は大統領の対立候補で、NASAの浪費を糾弾して躍進する上院議員の娘。ただし彼女は父親との関係は冷え切っており、国家偵察局(NRO)の局員です。 彼女が大統領に呼び出されたことから物語は始るのですが、なんと彼女の父が糾弾していたNASAが正規の大発見をしたというのです。そしてその発見とは・・・。 こうして物語は政治劇+科学的発見譚の様相を見せ、あたかもマイケル・クライトンの作品のような印象を受けるのですが、読み進めていくうちにだんだんと”ダン・ブラウン的”展開を見せていきます。 この小説、とにかく途中までは抜群に面白いです。 ダヴィンチ・コードは言うに及ばず、もしかしたら天使と悪魔よりも面白いかも、と思わせるのですが、個人的には途中で失速しているような気がするんですよね^^;特に黒幕が姿を現す瞬間がピークになって、それからがちょっとなあ^^;全てが明らかになるシーンには確かに驚きがあるのですが・・・。 ともあれ、全編一気に読ませる面白さのある、おすすめの逸品です^^