山本周五郎 ひとごろし
先日の新ユニフォーム発表会のとき、始まるまで小説を呼んで時間を潰しました。山本周五郎のひとごろしです。この話をベースにして過去二度映画化されました(初笑い びっくり武士道〈1971年〉、ひとごろし〈1976年〉)。びっくり武士道の中に出てくる永代御堀支配の役目のことが知りたかったのがこの本を読むきっかけです。越前・福井の藩士である双子六兵衛が、臆病者の汚名をすすぐために上意討ちの名乗り出ます。妹に縁談の話がないのは臆病者と呼ばれる自分のせい、そして私も一生に一度ぐらいは役に立つ人間だということを証明したい、というのが理由です。相手は殿様の側近を斬り捨てた福井藩お抱え武芸者で剣道指南役の仁藤五郎太夫昂軒。六兵衛の腕では到底勝てる相手ではありません。北国街道を江戸に向かって歩き続けた六兵衛は昂軒をみつけます。ところがいつの間にか追い抜いてしまい、うしろから呼びかけられて飛び上がる六兵衛。彼は「ひとごろし!」と叫んで逃げてしまいます。疲れ果てて松林の中に逃げ込んだ六兵衛は、そこで思いついたある秘策で対抗するという話です。機会があったらぜひ読んでみて下さい。