来春卒業八戸市内大学生に中央から求人殺到

　国内景気の回復に伴う中央企業の求人意欲向上を受けて、八戸市内の大学でも来春卒業予定の学生に対し、県外からの求人が殺到している。学生にとって超氷河期と言われ続けてきた就職戦線だが、首都圏を中心とした県外への就職に限れば、今年は完全に雪解けを迎えたようだ。一方、地元企業の求人意欲は依然として回復しておらず、優秀な人材が地方から流出する事態も懸念される。
（中略）　
　しかし、同大の場合は学生の約八割が地元就職を希望しており、「県内企業は依然として採用枠が少ないし、学生に無理に県外就職を勧めるわけにはいかない。トータルでは、状況はまだまだ厳しい」と強調する。
　その上で「地元の中小企業は秋からようやく採用活動を始めるため、今年のように中央の企業が採用に積極的だと、いい人材が先に県外に流出してしまう。条件や採用時期を含め、地元企業にも対応を検討してほしい」と訴える。
　企業が積極的な採用姿勢に転じた背景には、景気回復に伴う事業拡大に加え、リストラを進めてきた反動と、団塊世代が大量退職を迎える「二〇〇七年問題」に対応する狙いがあるとみられる。

（デーリー東北）