42.195kmという未知の距離
去年2月東京マラソンをテレビで観て、自分も走れるんじゃないかと思い、ジョギングを始めて早13ヶ月。今年の東京マラソンは抽選ではずれたが、いよいよフルマラソンにチャレンジする日が来た。第11回荒川市民マラソン。天気は予報に反して、どんよりした曇り。電車で浮間舟橋駅に着くと、人の群れ…。今日のフルマラソンに16,000人以上がエントリーしていた。会場に着き、受付、場所取り、貴重品預け、ストレッチ、着替えを済ませ、トイレに行くと長蛇の列。スタート1分前の放送があったとき、私はまだトイレの前に並んでいた。そして、スタートの号砲。トイレを済ませ、急いでコースに入りあわただしくスタート。約5分後にスタートラインを通過。最初はランナーの多さに前に行けず、集団走になったが、2ヶ月前の谷川真理ハーフマラソンほどではなかった。この大会で初めて給食を体験。12km地点で初めて口に入れたのは、クリームパンだった。急いで食べたら、これが喉に詰まった。折り返し地点まではいいペースで進んだが、22kmを過ぎた頃から大失速をしてしまった。もともとハーフマラソン以上の距離を走ったことの無い私にとっては未知の距離。足が全く前に出ず、抜かれていく一方。30kmを過ぎたあたりから酸欠のような状態になってしまい、頭痛が始まった。その後、給水しても、パン、おにぎり、シャーベットを食べても回復することはなかった。途中で何度も走るのをやめようと思ったが、どうにか4時間以内で完走しようと、1kmごとの表示を通過するたびに、このあと1kmを○分で行けば4時間を切る、と頭が朦朧とする中、こればっかり計算しながら走った。40kmの表示が見えてきたとき、4時間以内にゴールすることを確信したと同時に、ようここまで走ったなと自分に感心した。結局3時間55分でゴール。レース中、しっかり給水したつもりだったが、脱水症状になったような感覚だった。レース後、腰を下ろし着替えようと思ったら、動けなくなってしまった。ちょっとでも足を動かそうものなら、足のいたるところが攣りそうだった。その後1時間半動けず、ようやく着替えて帰路につく。荒川の土手から階段を降りようとすると、降りれない。手すりにつかまって、一歩ずつどうにか降りた。42.195kmという距離は私にとって、これまではテレビで観るだけの数字であった。テレビに出てくるマラソンランナーのように2時間台で走ることはできないが、走れない距離ではないことはわかった。ゴールには、42.195kmを完走した者にしかわからないであろう達成感があった。しかし、36km地点のシャーベットは最高だった。もっと味わって食べたかったが…。