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カテゴリ:音叉 第2楽章
高校生の時々と、卒業後二十歳過ぎまでバンドを組んでいた。
プロフにある通り、クラッシクからパンク、テクノ、ニューウェーブ、民俗音楽と好みはかなり広いが、バンド形式ではとあるジャンル一辺倒だった。 あたしはバンドの音、傾向を最も左右する(というか、味付けの大半をしてしまっていたのだが)ポジションに居た為、あたしの所為でかなりアングラ嗜好なバンドだった。 意味の明確でない生活感の希薄な歌詞と、リバーブやフランジャー等のエフェクトを多用した。 あたしたちの音を聴いた時、異空間物語の挿絵の様な映像に包まれてくれればいいな、と、そればかりを目指した。 ちょっと、そんな事が好きだった年齢だったんだ。 歌詞には必ず「月」もしくはそれに相当するキーワードが用いられた。 別段そうしようと決めた訳でもなかったのに、どういう事か必ずそういう風になった。 月喰歌劇団の団員で構成されたバンドが対バンだった時は、酷くやりにくかった。向こうは芝居がかった演出を好んでいたし音楽の手法も違ったが、、聴いた人は「こりゃまた似たような雰囲気のバンドだな」と思ったそうだ。 CUREが好きなボーカルの子と、びっくりハウスとM・カーンが大好きだったあたしと、メタリカが大好きだったベースと、それからZELDAと稲垣足穂が大好きだったドラムが初期のメンバーだった(これで音を察してください)。 まぁ、足穂である。 耽美なものに憧れるお年頃。あたしの周りの文学少女の要素の強い女子高校生は皆足穂を好んでいた(実はあたしはあんまりはまらなかった)。 そして、スターリンの「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」を今更のように聴き、丸尾末広を競うように読んだ。 本当に、猫も杓子も。 バンドはやがてメンバーチェンジを幾度か行い、まぁ色々あって、無くなった。 んで、「アングラな感じが好き度」の深さも変化した。 そうして、嫌いではないが、そんなに重要な事でもなくなって暫くが過ぎた。 その足穂的なものに引き戻されたのはつい一年前である。 とある本屋で、一冊の土方本を見つけた。 その表紙がとても素敵なので、それ以来、その人の絵を観るとたまらない気持ちになってしまう様になった。 山本タカト。 あの絵はあかんでしょう・・・・・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 15, 2006 04:25:20 AM
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