未だ残ってます。
友人が退き始めた。CONTAX i4Rに装填しているメモリーカードから何時までも消えないデータを観せる度に、友人Qは呆れて溜息を付く。「既にPCに転送しているんだからさ、もう消せば?」と云わんばかりだ。そりゃ、日野で撮影してから何日も経った今でも内蓄させているのだから当然だけども、撮影して直ぐに見せた時は喜んで観てた癖に、ナンだよその溜息は。ちと不満である。それでは、と、あたしの中に何時までも残るむふふ笑いを共有してくれる者を探す事にした。5月末。同じカメラで撮った代表戦のイナを見せるついでと無理矢理に、UAE戦後の飲み会でサカ友K姐さん,Mしおさん,M―んさんに自慢する。「ね、K姐スキだって云ってたよね?これ見てー。え?あ、娘さんが好きなの?いいじゃんどっちでも、ねーねー見てよ。MしおさんもM―んさんも見る?いいから見てっ!」ディスプレイには無駄に連写した耕史君が果てしなく映っている。「あぁ、うん・・・・カッコいいね」見て、これ。次の写真も見て。次の写真も見て。そのまた次の写真も見て見て見てっ!あんまり違いの無い大量の連写耕史君を見せられた後、友人たちは揃って無言でビールを口にした。うーーん。なんとも塩味の無い澄まし汁の様な反応だ。7月末。Mさどんがニステルローイとデ・サールの二人ファン様に逢いに東京入りした。お茶の席にはK姐さんとM-んさんとQも揃った。あ、そうだ。K姐さん確かスキだって云ってなかったっけ?「ねーねー。これ見て。耕史君。」「・・・・・・・・・・もう見たよそれ」あ、さいでっか?「あ、じゃぁM-んさん見た?見たい?見て?」「・・・・・・・・・・あたしも見たよそれ・・・・・」へ?そうでっか。「あ、じゃぁ、じゃぁー」Mさどん、見ろ。ほれ。ほれ、ほれ、よーく見ろ。「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「凄いだろーーー」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「てゆーか、けらちゃんさぁ、もうそれ消せば?」煩いQ!邪魔すんなぃっ!!!8月頭。BFと都内某所の飛行場に行く。カフェの写真を撮るからとカメラをチェックして、ディスプレイに映った耕史君に指が止まる。「ねーねー?ヤマモトコウジって知ってる?」「カープの?」ちげーよ、おい。「あのねー、これねー、こないだねー、すんごい近くで撮るチャンスがあってねー」見せちゃおうかな?見せちゃうよ?ってゆーか、見ろっ。「ふーーーーーん。まぁ、綺麗に撮れてるよね」いや、綺麗に撮れてるかどうかはどうでもいい。こんな綺麗な男を良くぞこんな至近距離で撮ったもんだろ?と俺は自慢したいんだ。何だその興味の欠片もない目は。8月中旬。母上と姉様と姉様1号2号(@Qoo)とドライブする。「けら子。海ホタルで写真を撮ろうよ」母の呼び掛けにカバンからデジカメを取り出す。はいはいデジカメねデジカメ。撮りますよ、と。・・・・・・・・・・・ん?いやん。耕史君♪「その前にこれ見て。山本耕史君。凄いだろ」わははははと得意気にディスプレイを母の目前に差し出す。母は大河を見ている筈だ。見ていなくちゃいかんのだ。それが日本の母だ。「あらま。誰?かわいらしくて優し気なぼっちゃんだ。さ、さっさと写真を撮っちゃおか」何だそのいそいそと髪を撫で付ける仕草は。何だその1+1は?とかチーズとか。かわいらしくて優し気などこぞのぼっちゃんより自分の写真写りの方が大事かいっ!おいこら待て。何だそのピースサインはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!「って、もうぜんっぜん皆判ってくれないんだよ。この強運(耕史運)の凄さをさっ」尽く、自慢話が自慢にならない。ふがふがQに電話口で吐き出した。「ってゆーか、もうほんとにいい加減データ消したら?」ごもっともでございます。