カテゴリ:ボーイズ・ラブ
真昼の月も早いもので、もう4巻なのですね。
実を言うと、当初は主人公・秀一が元刑事で、現在探偵だという設定が、ちょっと物足りない感じだったのです。 ストーリー的には、障害があるけれど刑事に戻るか、いっそ辰巳の右腕となって働くかのどちらかが盛り上がるパターンだと思いますが、そのどちらもない様子。 まあ・・ヤクザ嫌いの秀一には後者は絶対あり得ませんね。 でも探偵の身としては大したことはできないと思っていた私の物足りなさは、この巻で解消されました。 今回は秀一が刑事では捜査できない事件を解明していきます。 警察という組織の中では、しがらみがあったり、制限があったりで、思い切った捜査を行えない点、今回は自由な探偵の身が役立ちます。 秀一、本領発揮といったところでしょうか? 真昼の月、4巻にして絶好調!という感じです。 『真昼の月 4』いおかいつき/海老原由里 アイノベルズ 2007年4月5日発行 神崎秀一は元刑事であった。 同僚の裏切りに遭い、撃たれて重傷を負った。 その後すぐに警察という組織に絶望して、刑事を辞めてしまった秀一。 秀一の左肩には今もその時の生々しい銃創が残っています。 大阪ミナミの祖父の雑居ビルを相続した秀一は、同ビル内に「神崎調査事務所」を立ち上げます。 ある事件がきっかけで、秀一は関西屈指の暴力団・桐山組のナンバー2・辰巳剛士の情人となります。 秀一の仕事の依頼は何故かヤクザ絡みのやっかいな事件が多い。 しかし・・それは偶然ではなく・・必然なのです!(オーラの泉の受け売り) ・・というわけで4巻もヤクザ絡みの依頼が来ます。 しかも、暴力団の殺人事件で、関東の暴力団が関西に進出する抗争事件も含んでいるという・・またしてもやっかいなもの。 秀一の依頼と、辰巳の組の事件が互いに交差する。 やはり一番の萌えシーンは、辰巳が狙撃されそうになったのを秀一が助けたシーンでしょう。 辰巳の舎弟から銃を奪い取って、相手の銃だけ撃ち落とすという見事な腕を披露してくれます。 辰巳はまさか秀一に助けられるとは思っていなかったので、びっくりしますが・・、秀一がまた舎弟に銃を返し、辰巳に目もくれず立ち去るのを見て、ふき出す辰巳。 すごくかっこいいシーンなのに秀一の行動と、辰巳の緊張感のないリアクションには笑えた。 しかし、かっこいい~っ!! 刑事を辞めて半年。 射撃の腕は落ちてないよ~! またまた凄い姐さん?として認識されること間違いなし。 秀一は思わず辰巳を助けたことが自分でも信じられない。 ヤクザは嫌いと言いながら、ヤクザの辰巳と繋がっていて、断ち切れない自分にひどく矛盾を感じ始める。 しかし、秀一は強い。 悩みながらも、秀一は自分の足がまだ自由に動いていることを感じていた。 身動きが取れなくなった、その時にまた考えればいい・・秀一は決心する。 辰巳と一緒に矛盾の中で生きる。 今の秀一には、それしか選べなかった・・。 『真昼の月』は、ますます面白くなります。 続刊が出るのが待ち遠しいですっ! 私の満足度★★★★★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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