カテゴリ:ボーイズ・ラブ
謎めいた美貌の医師と元刑事だった探偵、どちらも理由ありの様子です。
桜城ややさんのイラストは少し苦手なんですが、キャラに惹かれて買ってしまいました。 『新宿探偵』剛しいら/桜城やや スラッシュノベルズ 2007年3月20日発行 新宿で一人、探偵事務所を開く展明(てんめい)。 依頼された仕事を調べるうちにたどり着いた『鈴本医院』は、昭和初期に建てられたかのような古びた建物だった・・。 その病院の医師・鈴本凛(すずもと りん)は、まだ若い色白の驚くほど美しい男だった。 調べている男について訊ねるが、患者の守秘義務があると何も話してはくれない。 展明は仕方なく、その夜に病院に忍び込むという強行手段に出る。 ところが部屋を探っているところを凛に見つかってしまった。 なんと、夜の凛は古い女物の着物を着ていて何とも言えず色っぽく、眼鏡も外していて壮絶に綺麗だったのだ! たまらず、展明は凛を襲う。(笑) その次の晩も情報を得るという口実のもと、夜這いをかける。 最初は抵抗を見せるが・・、いつも最後は素直に抱かれる妖艶な凛だった。 迷惑そうな顔をしても、どこか展明が忍び込んで来るのを待っているような不思議な凛。 展明は、そんな凛にどうしようもなく惹かれていくのであった。 凛の実家は元華族出身の財閥で、母親は台湾のオペラ歌手だった。 マダム・バタフライ・・、彼女は男も子供も捨てた。 凛は、彼女の衣装の着物を毎晩身にまとい、彼女のレコードを流す。 それは母親を恨んでいながらも、気持のどこかで慕っている表れなのだ。 凛の暗い過去はそれだけではなかった・・。 腹違いの兄に犯され、その事実さえも凛が誘ったからだと逆に父親から責められ、凛は家を出た。 大学病院時代も、尊敬する教授に身体を強要され、全てに失望してしまった凛は、理由ありの患者ばかりを診る町医者となった・・。 展明は展明で、大きな秘密を抱えていた。 刑事だった展明は、ある事件で、犯人が置いたアタッシュケースをつい隠してしまったのだった。 その中には膨大な数の一万円札が入っていた! 展明は愛犬の死がいが眠る実家の裏山に埋めた・・。 そしていつか・・その金で自由な生活を手に入れる・・それが展明の夢となった。 ある日、凛は展明に「毎日、猫に(凛の飼っている黒猫)缶詰を二缶。ミルクは二日で一本買って来てくれ。」と言う。 それは、毎日来て欲しいという凛の告白だったのだっ。 全てがうまく行きかけていたある日、展明の事務所の前に中国マフィアが現れ、展明は愕然とする。 マフィアはアタッシュケースを取り戻しに来たのだ。 逃げ切れないと判断した展明は、凛にも害が及ぶことを恐れて別れを告げる。 死を覚悟した展明・・絶体絶命! 最後の最後に、こんなことになるなんてっ! ハラハラドキドキ・・・私も展明は絶対殺されると思いました。 こんなに最後まで気の抜けない話は久しぶりでした~。 私の満足度★★★★★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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