カテゴリ:ボーイズ・ラブ
やはり春原さんは医療従事者だけあって、春原さんの書く医者モノはリアルで背景もしっかりしていて、私は大好きです。
最近はあまり医療モノを書いていらっしゃらなかったので、久しぶりで嬉しい 『神の右手を持つ男』春原いずみ/有馬かつみ キャラ文庫 2007年7月31日発行 神の右手を持つ男・御影貴和(みかげたかかず)は、大学病院に所属する脳血管内科医です。 カテーテル操作、画像診断にかけては天才的な腕を持っていて、関係者から『神の御子』と呼ばれている。 脳神経外科医・大信田穣(おおしだゆたか)とは幼馴染で、仕事でもプライベートでも、二人は共に素晴らしいパートナーだった。 ある日、救急で運ばれて来た患者の診断を巡って、松永教授の息子と対立した貴和は大学を追われ、設備も整っていない病院に左遷されてしまいます。 貴和は恋人の穣と連絡をとるが、手のひらを返したように冷たく拒絶され、失意のまま赴任先へと赴くのであった・・。 穣は穣なりの、貴和の将来を考えての行動だったのだが・・、新しい職場で自分の腕を生かせず、穣に裏切られた貴和のショックは大きかった。 精神的に参った貴和を救ったのは、赴任先の病院の心療内科医の観月だった。 貴和は、観月のおかげで少しずつ立ち直っていった。 そんな頃、穣から貴和に、話があるから大学へ来てくれと一本のメールが入った。 忘れようとしても忘れられない穣からの誘いに貴和は急いで向かう。 しかし、それは穣のさらなる裏切り行為だったのだ・・。 松永から暴行される貴和を助けたのは、観月だった。 全てに疲れた貴和は、観月の手を取ってしまった・・。 ある日貴和は、緊急の患者を大学病院に運ぶ事になり、成り行きでカテーテル術を代わりに行うことになります。 改めて『神の右手』の凄さを知らしめた貴和に大学側は、貴和を呼び戻すことに・・。 しかし・・貴和が出した答えは大学を辞めて、赴任先の病院に就職するという事だった。 それを知った穣は驚いて、貴和を説得するために会いに行く。 貴和は留守で、観月が代わりに穣に会い、今まで貴和が受けた心の傷の深さを語った。 観月は貴和を愛している、一生をかけて貴和を守ると穣に告げた。 ばかな穣・・。 貴和にあんな態度をとっていながら、貴和が大学に戻って来れたら・・それで全てが解決すると思っていたなんて・・。 貴和が待っていてくれていると勝手に信じて・・。 今さら気づいても、もう遅いよ! こうして貴和は大学を辞め、その病院の医師となった。 それから半年後、穣はある決意をして、一通の長い手紙を貴和にしたためた。 もうすでに懐かしくなってしまった名前を見つけ、貴和の心は揺れる。 二人を結んでいた赤い糸は細く細くなってしまい、かろうじて繋がっている状態だった・・もうこれが最後・・。 二人はどうなってしまうのだろうか? 観月との落ち着いた生活は? 貴和の『神の右手』はこのまま埋もれてしまうのか? ちょっと穣の感情に納得できないところもあったけど・・、大学病院の派閥、しがらみ・・様々な人間関係があって、担当Yさんの言うようにこれはまさしく『春原版・白い巨塔』です! 私の満足度★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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