カテゴリ:ボーイズ・ラブ
私は「受け」に女装させるのは好きじゃないんですよね。
始め、このジャケットを見た時に買うか否か、悩みました。 私の大好きな水月真兎さんの作品だけど・・、うっ!チャイナドレスを着ている・・。 しかも、すごいプロポーションで、似合っている・・が、胸はない・・確かに男だ。 すごく悩んだ末に買った本です。 『秘恋は陵辱の褥で』水月真兎/池玲文 プラチナ文庫 2007年9月25日発行 月(ユエ)は、上海の高級妓館である『紅蓮閣』の男娼である。 完璧に整った美しい顔と肢体、月ほどチャイナドレスが似合う男はいないであろう。 しかし、それは仮の姿。 月は、国民党政府の指導者である蒋介石の直属の謀略機関として知られている・藍衣社の暗殺者だった。 月はその美貌と躰を使って、敵の懐に入り、敵を討ってきた。 月の父親は日本人、月には日本人の血と中国人の血が半分々に流れていた。 そのために両方の人達から忌み嫌われる宿命を背負っていた。 幼い頃から月には安息の日々などない、自分の中の日本人への恨みをぶつけられ、男に陵辱され、蔑まれ生きてきた。 月は暗殺者としていつも崖っぷちで生きてきたのは、常にどこかで自分の死に場所を求めていたということもある。 月は仲間から刺され、次に暗殺する予定だった日本の財閥・上総の目に留まるように黄浦江に流された。 それは月が刺客だと疑われないようにしたことだったが・・、生きるか死ぬか・・救ってくれるかどうかは大きな賭けだった。 上総は月を助けて、生死をさまよっている間、側について励ましてくれた。 中国人である月に、このように優しくしてくれた日本人はいなかった。 月の傷が癒えると、上総は月に漆黒のチャイナドレスを着せ、自ら抱いた。 傷つけるでもなく、ただ快楽を与えるだけの抱かれ方は初めてで戸惑う月。 しかし上総は、それ以来抱かなくなり、月に客人の相手をさせた。 上総は、月に優しかったり、酷くしたり、自分のことを刺客だと疑っているのかどうかも分らない。 それでも、月にとって心の安らぎをを感じたことは初めてで、月は初めて人を好きになってしまう。 ある晩、上総は反日の中国人に狙われ、月は反射的に上総をかばって相手を射殺していた。 暗殺しなければならない上総を助けてしまったのだ。 それも並みならぬ銃の腕前、身のこなしを見られ、藍衣社の刺客だったことがバレ、拷問を受ける月・・。 いっそ殺して欲しい・・願いは、上総の手にかかって死ぬことだけだった。 月は最後に上総のために悪者になりきります。 月と上総、互いの銃が互いの心臓を狙い、敵同士の宿命は抗えないのだと思った瞬間、月は愛した男に葬られる道を選んだ。 ありがとうと月は愛しの男の腕に倒れた・・。 ううっ、これでもか!これでもか!というほど、次々と月に絶望が襲ってきます。 もう・・陵辱に次ぐ、陵辱。 すごい悲惨なお話でありますっ! さすが、水月真兎さんです。(笑) こういう生き方しかできない月が可哀想・・切ないお話でした。(ぐっすん) 私の満足度★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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