カテゴリ:ボーイズ・ラブ
この作品は、英田サキさんのデビュー前の同人誌作品だったそうです。
『すべてはこの夜に』英田サキ/海老原由里 クロスノベルズ 2007年10月24日発行 喫茶店を経営していた加持は、資金を従業員に持ち逃げされ、借金返済のためヤミ金融に手を出してしまった。 取り立てに苦しむ加持に、ある男が高額の仕事を持ちかけてきた。 その依頼とは・・『この銃である男を撃ってくれ』というものだった。 話は、加持がある男を撃ちに行くという衝撃的なシーンから始まります。 加持が銃を向けた相手は・・忌まわしい過去の男・湊だった。 驚く加持は、銃撃に失敗して捕まってしまう。 無精ひげの憔悴しきった顔、伸びきったボサボサの髪、薄汚れた服、漂う異臭・・反対に銃で脅され失禁してしまう・・。 なんという情けない男なのだ!? これが今回のクールビューティさん・・? あまりのインパクトにケロのテンションは一気に下がりました。 十年前の大学時代、加持は湊と関係を持っていた。 しかし、肉体はどれだけ馴染んでも、心は満たされず、愛情の有無さえ確認できない・・加持は次第に不安になり、湊から離れた。 湊の友人の優里から交際を申し込まれ、付き合いだした加持は優里を深く愛すようになった。 しかしある日、加持は湊に無理やり抱かれ、その光景を優里に見られてしまう。 ショックを受け飛び出した優里を加持は追いかけたが・・、加持の目の前で車にはねられ死んでしまった・・。 後日、まだショックから抜けきれない加持のもとに湊はやって来て、彼女を部屋に呼んだのは俺だと、告げた。 あまりの仕打ちに逆上した加持は、持っていたナイフを湊に振り下ろし、湊は頬に癒えない傷を負った・・。 それから十年を経て二人は運命の再会をする。 湊はヤクザになっていた。 捕らえた加持は監禁され、毎晩のように湊に抱かれた・・。 十年前の優里から湊に宛てた手紙を偶然目にした加持は、全ての真実を知る。 湊は感情を出せない不器用な男(悲惨な生い立ちがそうさせた)で、「愛されないなら憎まれる方がいい」と思い、加持に嘘をついたのだった・・。 湊は加持を愛していた・・初めてお互いの心が通じたと思った時、 加持は湊を庇い銃弾に倒れた! 「加持、加持、駄目だっ、俺を置いて逝くな!お願いだ。」 薄れる意識の中で、湊の悲痛な叫びが聴こえ、加持の頬に湊の温かい涙が落ちた・・。 えっ! そこで終わるんかいっ?! うぎゃ~! 加持は死んじゃったのっ?! 気になった私は真ん中のお話を飛ばして、最後を読んでしまったのだ。 また、やってしまった・・。 だって・・英田さんが焦らすからいけないんだぁ~! どうやら加持は一命をとりとめたようです。(ほっ・・) 死にかけた加持は、肝が座ったようで・・組長になった湊を傍で見守っています。 湊を見る目は優しく、まるで聖母様のような加持・・素敵です。 ようやく私好みのクールビューティさんが現れましたっ! しかし、湊は意外とヘタレでしたね?(笑) えっ?真ん中のお話? ははは・・そうでした・・これは、湊の側に仕える武井の亡くなった恋人のお話です。 切なく悲しい、それでいて心温まるようなお話でした。 意外と面白かったです。 私の満足度★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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