カテゴリ:ボーイズ・ラブ
戦闘機大好きの私としては、BL小説で戦闘機が登場してもいいんじゃない?と常々思っておりました。
この前読んだ『インヴィジブル・ブルー』は戦闘シーンはしっかりしていたんだけど・・BL風味といった程度(私的には何となく味がする?といった感じ)だったのが期待外れだったんですよねぇ~。 しかしっ!今回は『鋼鉄の未亡人』・・タイトル的にも、作者が水月真兎さんであることからも期待するなっちゅう方が難しいでしょう! 『鋼鉄の未亡人』水月真兎/藤井咲耶 花丸文庫 2007年11月25日発行 はっきり言って、私の思っていた戦闘機と違っていましたね。 私はイーグルなどの今飛んでいる機体だとばかり思っていましたが・・これは近未来の戦闘機です。 AIが搭載され、人が操縦しなくても可能な戦闘機・・思い出すのは映画の『ステルス』に登場するエディ君や、戦闘妖精『雪風』といった機体です。 それにこのお話を読んでいると色んなアニメを思い出すのはなぜ? 『エリア88』の外人傭兵部隊、初代『マクロス』に出てくる亡くなった恋人「ロイ」・・そう思って見ていたら『マクロス』はともかく、『エリア88』は意識したと【あとがき】に書かれていました。(笑) 私は『トップガン』にBLを盛り込んだ小説が読みた~いっ! 時は2040年、三矢重工は5年の歳月をかけて最新鋭戦闘機FX-9『ノワール』を完成させていた。 東南アジアにあるアスナムは北と南で内戦をしており、三矢重工は北アスナムの資源と引き換えに日本最高のテクノロジー・FX-9を北アスナムに引き渡した。 明日のデモ飛行を最後に離れてしまう『ノワール』に会うためにハンガー(格納庫)に来ていたテストパイロットの白瀬司は、そこで北アスナム軍の准将ユーグ・ド・グレイと出会う。 傭兵をしていた司は、3年前の『カレ・シャラン』の激戦で仲間を全て失い、司一人が生き残った。 その戦闘で身も心も壊れていた司を救ってくれたのが、FX-9の技術者のロイ・・・ロイは司の仕事のパートナーであり、友人であり、恋人であった。 そのロイは一年前に起こった研究施設の事故で犠牲となってしまった・・。 司にとって『ノワール』はロイそのものであり、『ノワール』なしで司はどう生きていけばいいのか分らなかった。 その最後であったはずの『デモ飛行』が司の運命を変えた。 デモ飛行を襲った突然の事態・・非武装地区であったにも関わらず、南アスナムの主力戦闘機M-2が攻撃をしかけてきたのだっ! 司は『ノワール』をデモモードから戦闘モードに切り替え敵を撃墜した。 『ノワール』の正式パイロットとして、クアンナイ基地に来て欲しいというユーグの申し出を断った司は、ユーグに監禁され、ロイの身代わりになってやると言われ無理やり抱かれてしまう。 そして薬を打たれ、南との最前線クアンナイ基地に運ばれた司・・考えたら無茶苦茶な話ですね・・。(笑) 南アスナムの指導者は、かつてのユーグの親友で、ユーグは裏切られ、その時の戦闘でユーグは身も心も傷ついていた。 こんな戦争は早く終わらせたい・・切に願うユーグは、どうしても『ノワール』と司を手に入れたかった・・。 偵察という初の任務でまたも戦闘状態になった司! パイロットが必ず生きて帰れるようにAIを開発したロイ、「必ず帰ってこい!」と言ったユーグの熱い言葉・・後遺症でうまく戦えない司にその声は届くのか・・?! AIが司に「未亡人とは何ですか?」と質問してきたり、司の体調を気遣ったり・・人間臭いのが面白いですね。 AIに行為の一部始終をカメラにデータ保存されてしまった司とユーグ・・、AIは後で何と報告するのでしょうか? 私の満足度★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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