カテゴリ:ボーイズ・ラブ
古本屋で52円の値段がついていたコミックを数冊買ってきました。
『Allure―蠱惑―』 海老原由里 『恋愛のスキル』 西村しゅうこ 『夜の花ビラ』 本庄りえ 『君に囁く未来』 直野儚羅 『罪とくちづけ―楽園に奪われた十日間―』東野裕 そしてこの『熱情のヴィルトゥオーソ』です。 『熱情のヴィルトゥオーソ』小笠原宇紀 ショコラコミックス 2005年1月1日発行 数ページ読んだところで・・アレ?と思いました。 これ、以前読んだ覚えがある・・あはは、またやってしまいました。 でも、前回読んだ時は内容がよくつかめず、正直あまり面白くないと思った本でしたが、今回じっくり読み直してみると・・あら不思議!おもしろいじゃありませんか~?! どういうことでしょう? たぶん内容がやっと解ったからだと思います。(単純ですみません) ケンゾウは国際コンクールで優勝するほどのピアニストでありながら、自分の納得のいく演奏ができないとカンシャクを起こす激情型の人間だった。 ケンゾウは、あるリサイタルで大暴れして大道具の斧でグランドピアノを叩き割るという前代未聞の事件を起こしてしまった。(笑) これは決してコメディではありませんが・・全てに於いて衝撃的なお話です。 この事件の後、以前のように弾けなくなってしまったケンゾウはクラシック界から忘れ去られ、レストランやバーで弾いて食いつないで生活していた。 レストランで弾くケンゾウを気に入った貴族、ロレンツォ・カルラッチは、プライベート・ピアニストとしてケンゾウを雇い、自分の部屋で毎晩、燕尾服を着せて弾かせるという謎の要求をしてきた。 その数回後にはケンゾウの演奏にも文句をつけるようになり、ケンゾウはまたカンシャクを起こし、「オカシテヤル」とロレンツォの胸倉を掴んだ。 脅したつもりが、『言う事を聞くならば相手になってやる』と返してくるロレンツォ。 本当にどこまでも不思議な人です。 ある晩、ロレンツォの私室を覗いたケンゾウはシガーの匂いから、ロレンツォが音楽院時代に可愛がってくれた歳の離れた同級生だったことを知る。 フードを目深に被り、シガーを吸い、手首に傷を持った彼は、ラフマニノフの難曲をも軽々と弾く、エキセントリックな生徒だった・・その姿はまるで死神。(ゾ~ッ) ピアノを弾くことが苦痛でドラッグに手を出し、自殺騒ぎを起こし音楽院を辞め、彼はステージ・マネージャーになった。 ロレンツォはケンゾウがステージに戻ってくることをずっと願っていました。 ロレンツォは、マエストロのフライヤーに、リサイタルのソリストにケンゾウを起用してもらえないか申し出た。 しかし、フライヤーは彼の新曲『二つのピアノのための協奏曲』をオーディション曲に選び・・それにはもう一人のピアニストと、もう一台のピアノがどうしても必要だったのだ。 そのために彼はまたドラッグに手を出し、封印していた死神を復活させてしまった・・。 そして、開かずの間に入っていた恐ろしいものの正体とは・・斧やノコギリなどが無数に突き刺さった無残なグランドピアノだったのだ! 何かすごい話です・・これでもかと普通では考えられないことばかり・・。 以前読んだ時は、その奇抜さに驚いて話の根底にあるものを見逃していたのですねぇ。 二人は似た者同士・・同じタイプのピアニストだったのですが、二人の違いは自分の意志で『ヴィルトゥオーソ』になれるケンゾウと、クスリの助けを借りなければなれないロレンツォの決定的な差だった・・それに気がついたロレンツォはピアノをやめ、想いをケンゾウに託したのですね。 奇抜さの根底には、ロレンツォの愛、心の傷、悲しみがあるのですが・・、あまりの奇抜さに思わず笑ってしまい、あまり深刻に重くならずに済んでいる感じ。 そこがこの本の面白さかな・・? まあ・・変わったコミックでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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