カテゴリ:ボーイズ・ラブ
イラストが私の好みではなかったのですが、面白そうだったので読みました。
日本人ではありますが、15年も外国で暮らしてきた雪彦をもう少し日本人離れをした容貌に描いてくれたら良かったのに・・と思います。 ジャケットの雪彦の服もネグリジェに見えて仕方がないし・・。 『砂漠の淡雪』美郷ほのか/上田規代 ショコラノベルズ 2008年6月20日発行 母親が、中東アルラート国王に見初められ、第4夫人として輿入れをした時、坂下雪彦はまだ3歳だった。 アルラートの王族となった雪彦だったが、国王と血の繋がりのない雪彦を義兄弟たちは苛めた。 その中でただ一人、第二王子のサリフだけは雪彦に違った態度を取っていた。 サリフは雪彦に、そんな事を言われないように賢く強くなれ・・と言う。 幼い雪彦は、サリフを見習おうと、ずっと側について歩いてきた。 時は経ち、雪彦18歳の時、サリフは20歳になり成人の儀を迎えたが、その晩にサリフは雪彦を抱き、雪彦はサリフの想いを知ったのである。 サリフは第1王子ザーヒルより、次期国王にとの人望も厚く有力視されていましたが、それを快く思っていなかった第1王子ザーヒルが、雪彦との関係を知って雪彦を自分のものにしようとした事にキレて、サリフはザーヒルに怪我を負わせてしまいます。 国王はサリフを地下牢に謹慎させ、雪彦にサリフのことを思うなら身を引いて日本に帰ってくれと言います。 次期国王になるサリフの行く末を思い、雪彦は日本の大学に入るという理由で帰国して、卒業後も日本の大手企業に入社、雪彦がアルラートを出て5年が経っていました。 国王急死の報せを聞き、次期国王サリフの命で強制的にアルラートに連れ戻される雪彦。 もう二度と離さない・・というサリフの熱い想いに雪彦は応えられるのか? サリフのために身を引くという雪彦の決意は潔く、涙を誘う場面でもあったのだけど・・それ以外の雪彦はあまり魅力なし。 いつも受身だし、強さが感じられない。 そして一番納得いかない点は、15年もアルラートで王族としての教育を受けてきた人間が、18歳で日本へ行って日本の生活に簡単に馴染めるものなのだろうか・・ということ。 もともと日本人なのだから当たり前だとも思うけど・・やはり向こうの教育を3歳から18歳まで受けてきたのなら、考え方や風貌も少しは向こうの人っぽくなっている筈。 そんなところにこだわる?とお思いでしょうが・・、この本での雪彦の微妙な立場上、こういう微妙な違いも受け取る側において、大きく左右すると思います。 私の満足度★★★☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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