カテゴリ:ボーイズ・ラブ
後で知ったのですが、第十四回シャレード新人小説賞・期待賞受賞作品だそうですね。
イラストは好みじゃなかったものの、医者モノは大好物なので読みました♪ 『いつでも君の傍にいる』安曇ひかる/桜井りょう シャレード文庫 2009年3月20日発行 智は、ある晩、行きつけのバーで見知らぬ男に「どこかで会ったことある?」と誘いの常套句ともいえる言葉をかけられ、しつこい男を足蹴にして帰って来た。 望月智(27歳)、小児科医の彼は翌日、病院の食堂で昨晩のナンパ男と遭遇する。 男の名前は富樫朔矢、この病院に赴任してきたばかりの救命救急医だった。 それからというもの富樫は、智の人に言えない落し物を餌にして近づき、付きまとうようになる。 しかし、智は上司である小児科医の部長・西倉と不倫関係を続けていたのだった。 智の父親は、ある事故で植物状態になってしまった。 そのことが10年経った今でも智の心に大きな傷を残している・・。 高校生の智は、その日、朝から父親と自分の進路のことで言い争いをした。 幼い頃からサッカー選手になることを夢見ていた智に、名門クラブチームのユースから突然の誘いが来て、智は迷う。 小児科医だった父親の姿を見て、いつしか自分も父親のような医師になりたいと思っていたのも確かな気持ちだったのだ。 しかし、父親に「ユースの話を断って学業に専念しろ」と言われ、頭に血が昇った智は、父親にひどい言葉を残して登校した・・それが父親と話した最後の言葉となってしまった・・。 その後の智は心神喪失状態で、無意識に赤の交差点に踏み出してしまう、それを救ってくれたのが、当時父親の治療チームにいた研修医の富樫だったのだ。 「どこかで会ったことある?」というのは、誘い文句ではなく、本当に出た言葉だったんだ~。 智は西倉に父親の面影を見ていた。 富樫は、西倉との間違った関係を指摘し、智のピンチを幾度となく救い、今までいろんなことから逃げてきた智に向き合う勇気を与えてくれた。 それは・・型破りで相当変わったおっさん・富樫の大らかさと、救命救急医として常に生死と向き合う真摯さと医師としてのプライドが、智を人として医師として変えてゆく。 まあ、ありがちなストーリーを夢中にさせたのは、文章力もさることながら・・智と富樫のキャラの魅力かな? 繊細で大人しいと思われがちな智が、実は・・結構気が強く、すぐに手も足も出る、ツンデレ猫ちゃんみたいなタイプだったり・・。(笑) 富樫の、年の離れたモテモテの智が心配でたまらない情けない姿など・・何か微笑ましい感じで面白い。 挿絵にもなっている、高熱で意識が朦朧としている智に、富樫が座薬を入れるシーンが・・いいですねぇ 理性を総動員して医療行為に徹する富樫に、朦朧としている智は感じるままに口走ります。 富樫曰く・・これは一体なんの罰なのだ? あはは・・名医でいい歳をした富樫が智に振り回される(いや、勝手にあたふたしてる?)姿は見ものですぞ! 私の満足度★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.03.02 21:16:49
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