カテゴリ:ボーイズ・ラブ
また、やってしまった・・・、この本は以前にビーボーイノベルズで読んでいた本だった。
年月が経ち過ぎていて、内容すら覚えてない・・ははは。 書き下ろしも収録されていることだし、新たな気持ちで読みました。 『最悪』ひちわゆか/石原理 ルチル文庫 2009年2月20日発行 同期の中でも異例の出世を果たしたエリートサラリーマン、橘英彦は出張先で四年前に三行半を叩きつけ、別れた恋人・有堂と再会する。 有堂は、大学生時代に消費者金融を立ち上げ、成功させた、やり手の男だった。 英彦いわく、彼は見かけのかっこ良さと違い、図々しくて自信家でズボラで下品で、ちっとも人の話を聞かなくて、ヘビースモーカーで巨人ファンで、何度言っても服を脱ぎ散らかし、風呂上りにぽたぽた雫をたらして裸で歩きまわり、トイレで40分も新聞を読み、柿ピーのピーナッツだけ食べ、人が楽しみにしていたビールを一人で全部飲み、映画のオチを先にしゃべり、煙草で新品のシーツに穴を開けるという嫌な男だった・・。 全て英彦が家事をこなし、毎日のように就職活動に駆けずり回っていた時も、有堂は既に何十人もの社員を束ねる社長で、学生の実業家として有名人だった。 英彦は有堂の才能やバイタリティに惹かれ、憧れる反面・・コンプレックスを刺激され、有堂は英彦にとって、愛しいけど妬ましい存在だったのだ。 しかも無神経な男は、英彦の複雑な想いを少しも理解しない・・。 再会してからも有堂は相変わらずだった。 有堂はある事がきっかけで、多額の負債を抱えてしまう・・。 大変なはずの有堂が、自分に何一つ話さず、頼ろうともしないのを、自分は有堂にとって、それほどに頼りない男だったのか・・とショックを受けた英彦はついにキレ、有堂にある復讐をする・・!? ―ねんごろに償え、この野郎。・・たっぷりいじめてやる(帯文)― これから読もうと思っている人は、この先に書く『有堂の本心』を見ない方がいいです。 学生時代に出会った英彦は・・蝶のさなぎが固い殻を脱ぎ捨てるかのように可憐な美少年からしたたかで美しい青年へと鮮やかな変貌を遂げた。 置いて行かれるような感覚に陥ったのは、英彦ばかりではなく・・むしろ有堂の方がそう感じていたのかも知れない。 有堂には、もう英彦しか考えられない。 大変な時でも、英彦には弱みを見せたくないと思う・・いや、愛しているからこそ英彦に見栄をを張ってしまうのだ。 十万借りるために地面に頭をこすりつけるのなんか、どうってことはない。 けど英彦、お前の前でだけは、おれを自惚れ屋のどうしようもない見栄っ張りでいさせとけよ。 ああ・・そういう愛情表現もあるのね・・? ちょっとジーンときたかも・・・。 書き下ろしの『運命』では、海外赴任を4年ほど終えた英彦が部長へと昇進した。 二人の関係も成長の兆しが・・??? ちょっとコメディチックで気楽に読める一冊です。 でも私も有堂の性格には、イラっときてしまうなぁ・・。 私の満足度★★★☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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