ケロサロン

びっくりするほど読んだＢＬコミックが溜まっています。
ちょっとここら辺で一気に書いてしまわないと溜まる一方ですので、どんどん行きますっ！

最近読んだコミックで面白かったのはコレです。

『楽園の非常口』一之瀬ゆま
キャラコミックス　２００９年１１月１日発行

表紙の絵はちょっと二人の雰囲気が変わってしまっていて、中の絵の方がいいかも？

大手住宅メーカーの営業の蓮川は、ある日突然、設計部の荷葉に怒鳴り込まれる。
そのクールな眼差しに一目ぼれしてしまい、それ以来蓮川は荷葉を意識するのだった。
一級建築士なのに派遣社員だという荷葉・・しかし、それにはある事情があったのだ・・。

以前勤めていた同僚・相馬に言い寄られ、襲われた荷葉は、今も相馬に怯えていた。
相馬にストーカーされ、パニックを起こす荷葉に、蓮川は自分の家に来るように勧める。
一緒に暮らすうちに蓮川は荷葉に思わず告白してしまうのだが・・、荷葉は相馬の件もあって嫌悪感をあらわにする。
蓮川は、荷葉の気持ちを尊重して、その気になるまで「待つ」と言ったものの、いつまでもおあずけ状態のままなのが苦しくて仕方がない。
受け入れる自信がない荷葉は決心して蓮川の家を出て、自分の部屋に戻ったものの・・離れて初めて蓮川の元が、いかに安心できて居心地良かったのかを知った。

荷葉にトラウマがあって無理強いしたくない優しい蓮川に、荷葉は性格からか素直になれず本心を言うことができない。
最初は気持と裏腹なことを言う荷葉に振り回され悩んだ蓮川だったが、やがてそれに気づいて荷葉を大きく包もうとする蓮川・・実に男らしい（湯川教授風）
このままでは前に進めないと思った蓮川は、相馬と会って話し合うことを提案する。
ここで私は、この本の奥深さを知るのです！
実は・・苦しんでいたのは荷葉だけじゃなかったということですよ。
自分の至らなさから相手を無意識に傷つけていた・・そこに気づかせてくれたのは、やはり蓮川だったのです。
人の心の弱さ、お互いの気持ちのすれ違いやズレ、葛藤など、それぞれの心理描写がよく描かれているなぁと思いました。
女王さま・荷葉とワンコ・蓮川のキャラも面白かったですし・・、一之瀬ゆまさんの他の作品も是非見てみたい気がしました。