オカモチの話
お夜食を運ぶ用のオカモチを作りました。受験生のママの必需品です。息子の勉強の邪魔をしないように、そっと、二階の子ども部屋の前の廊下に夜食を置いてい行きます。「がんばれ。」って、ちっちゃなメモを夜食と一緒にオカモチに入れておきます。毎晩、毎晩。息子にしてみれば、親の優しさが、ウザかったりするよね。必要以上に親に冷たくしたりして。乱暴な口をきいてみたりして。受験前夜、いつものように夜食を持っていき、受験日当日、息子を送り出した後、二階のオカモチを下げ、皿を洗おうと、オカモチの蓋を開けると手紙が出てきます。「ありがとう」ってほんの一行そんな物語を想像しながら作ったオカモチです。僕は木工職人ではなく、アーティストです。僕の作る作品には、それぞれ物語があります。