昨日のことだけど、放送大学で見た社会学の授業が非常に面白かった。「パラサイト・シングル」という言葉の創出者である山田昌弘という人のお話。
いわく、フリーターが増えているが、その原因を若者の無気力だとして責めるのは酷であるという。むしろ、フリーターを増やしているのは社会経済的な要因が大きい。サービス経済であるニューエコノミーの到来で、世の中の仕事は、「専門性の高い一握りの仕事」(たとえばコンビニの出店計画を練る本社の幹部社員)と、「専門性を要しない単純労働」(たとえばコンビニの現場で働く店員)に二極分化した。前者を正社員が、後者をアルバイトが担うわけだが、企業は、固定費を減らして損益分岐点を下げるために、正社員を減らしてアルバイトを増やす動きに専念している。正社員を減らすにあたって、すでに採用してしまった正社員の首を切るのはイヤだから、新規採用を減らすことになる。すなわち、若者にとっては、正社員として就職できる口が減っている。だから、条件のいい仕事が見つからなくて仕方なくフリーターになるのだという。
非常に納得できる面白い説明だ。社会学なんてこれまで興味の対象外であったのだが、放送大学があらゆる学問への入り口を開いてくれているので、こういう面白い話が聞けてありがたい。
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Last updated
2005年06月22日 20時12分21秒
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