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カテゴリ:病気・ココロ
最近、ソーシャル・ネットワーク・サービスのmixiでよく遊ぶのだけど、そこで、僕の目指す専門分野について頻繁に勘違いされる。
たとえばどこかに、「31歳にして心理学の大学院を受験しました」と書くと、「へーっ、カウンセラー目指すんですね!がんばってください!」という類のレスが必ずつくのだ。 そのたびに、「いえ、やるのはカウンセリングの勉強ではなくて、社会心理学の研究です」と言って訂正しないとならない。 いつから、「心理学」=「カウンセリング」もしくは「臨床心理学」、というおかしな図式が定着したのだろうね。 例えば僕の受験した大学には、感性・知覚心理学、認知心理学、教授・学習心理学、発達心理学、人格心理学、社会心理学、組織心理学、文化心理学、心理測定・心理学研究法と、臨床心理学以外にも、それはそれは色んな分野の専門の先生がおられる。 臨床心理学は、心理学の応用分野のひとつでしかないのに。 おかしな図式の定着は、昨今の「癒しブーム」と無関係ではないだろう。 上手な人に受ければカウンセリングというのは自己の成長にすごい効果を発揮することは、僕も身をもって体験しているから、カウンセリングというものが身近になってきたことのメリットは否定しない。 だけど、僕がお世話になったような、本物の腕を持った臨床家ってどれだけいるのかな? さらに、カウンセリングを利用する、というだけじゃなくて、自分もカウンセラーになりたい、という人が、あまりにも増えている。 先日の大学院の口述試験の話だが、臨床系の専攻と、非臨床系の専攻が同日に試験をやっていた。 臨床系は、あふれる受験者の中から、足切りをして、定員の3倍の人数のみ口述試験を受けることができた。 ちなみに、定員は30人で、口述試験に進んだのは90人だった。 ところが、非臨床系の受験者は僕を入れて6人、うち日本人は2人だけであった。 ほんとに臨床は人気があるなあ!と、改めてびっくりしたものだ。 臨床心理士になりたい、カウンセラーになりたい、って思う人に聞いてみたいこと。 あなたは、念願の臨床心理士になって、心療内科の医院に採用されました。 最初の患者さんは、あなたの前に座るなり、「もう私は生きる望みがありません。死にたいです」と訴えました。 あなたはプロの治療者ですから、あらゆる知恵と技術を駆使して、この人を楽にしてあげる責任があります。 患者さんは心を病んでいます。通り一遍の励ましや気休めは、無効どころか有害かもしれません。 あなたにはやり遂げる覚悟はありますか? やり遂げるだけの知恵と技術はありますか? 友達の恋愛相談に乗るのとはわけが違うのですが、そこはおわかりですか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年02月15日 14時31分43秒
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