カテゴリ:社会の底辺から
僕の仕事は老人福祉、児童福祉、精神保健福祉と密接なつながりを持っています。
当然のことながら役所の中にこれらの部門があるのですが、 僕が生活保護に携わった3年間の間に、これらの部門の職員のうち 8人の職員が精神的なストレスで体調を崩して仕事を休まざるをえなくなり、 1人が仕事を辞め、そして1人が自殺をしました。(自殺と仕事の因果関係は不明ですが) 社会福祉士、精神保健福祉士という資格を知っていますか? いずれも国家資格で専門的知識と技術を持ち、何より福祉に対する志を持つプロです。 実は病気休暇を取った(取らざるをえなかった)職員8人のうち これらの資格を持つ職員が半数を占めたのです。 退職した職員もそうでした。まだ入社4年目でした。 福祉に関して人並み以上に関心を持ち、福祉のプロを目指してきた彼らが 福祉の現実にぶつかり、ダウンしてしまったのです。 福祉の現場はこんなに大変なんだ!というつもりは(今日は)ありません。 僕が今日書きたいのは、彼らが福祉のプロとしての意識があるがゆえ、 人一倍頑張り、悩み、理想と現実のギャップに苦しみ、 あらゆる矛盾を感じていたのではないかということです。 真剣に仕事をすればするほど悩みも増える。 真剣に相手のことを考えれば考えるほど裏切られたときのショックは大きい。 制度を知れば知るほどその利用価値の無さも知る。 自分が助けたいと思っていた人々が「こんな人たち」だったことを知ってしまう。 本当に助けたい人たちを救えずに、人間のクズのような人たちに振り回される。 本当に困っている人たちが救われず、ずる賢く醜くいやしい人たちが得をする。 こんな世界にいたら心も病みます。 それでいて打開策が見つからない。漂う閉塞感。 これからの福祉を担う人たちは、決して明るい未来が待っているとは思っていません。 でも彼らは頑張っています。そして悩んでいます。人一倍。 精神保健福祉士の友人に聞いた話では、大学で同じ道を志した友の多くが 社会に出てわずか2、3年でまったく違う業界に転職したそうです。 その気持ち、何となくわかるなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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