最終回。
7月21日です。ランチタイムに2時間もかけてしまいましたが、そろそろ歩きましょう。今日は名所を撮影しなおします。まずはスペイン広場。工事中なのでイマイチ。そして、パンテオン内部。つづきまして、ナボーナ広場。ちょっとだけ、フォロ・ロマーノ。今日のディナーは、ローマ最後の夜ということですから、豪華に行きたい反面、さっき食べたランチがまったく消化できておらず悩ましいところです。今日は、マックスのおすすめ、スパーダ宮近く、のお店にいきたいと思います。ヴェネツィア広場から、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世通りをずんずん行くバスに乗ります。バス路線図ももらっていないので、テキトーに乗ってるんです。本当は、アルジェンティーナ広場を過ぎたあたりで降りようと思っていたのですが、思ってたのと違う方向に曲がっちゃうし、景色はどこだか分からなくなってくるし、旧式のバスで停留所の電光表示が無いし、どうしましょう。異国の旅は、いつもちょっとした冒険です。何が起こるかわからない。道を間違えるかもしれない。バスで降りたい停留所で乗り過ごすかもしれない。いつも神経は鋭敏です。今、想定どおりか、否か。違っているとしたら、どう修正するか。普段、日本で日常生活を送っているときは、まず使わない脳の部分を使います。それは、道を聞いたときに、この人の言っていることは信用できるのか?ということから、この道を曲がっちゃうと、危険な目に会いそう、など、おもに直感の部分。ふだんの生活では、不活性な脳の部分です。生きるための原始の部分とでもいうのでしょうか。私が旅行中考えていたことは、ほんとうにシンプルなことだけでした。今日はご飯にありつけるのか。今日は無事にねぐらに帰れるのか。衣、食、住。衣、食、住。実は、旅の間中、衣、食、住。のことしか考えてませんでした。仕事のこと、恋のこと、人間関係のこと、家族のこと、お金のこと、いーっさい、蚊帳の外。ま、そんなふうに頭をからっぽにしたいがために、旅に出るのかも知れません。さて、珍しくすっかりバスを乗り過ごしてしまったので、テヴェレ川の手前でようやく気づいて下車し、てくてくスパーダ宮方面へ。観光ガイドにはほとんど書いてないのですが、カンポ・ディ・フィオーリ広場? だと思いますが、地元民が金曜の夜に騒ぐ繁華街のようです。渋谷や六本木の匂いがしました。知らずに写真を撮ったのですが、背景に写っているのはカルボナーラ発祥の店なのだそうです。ローマ最後の夜は、「パスタはこれとそれとあれから選びな。他のはねえよ。」と言うこだわりの頑固おやじのいる、セルジオというスパーダ宮近くの店で、スパゲッティ・プッタネスカをまた食べました!!翌日は、7月22日になりますが、フォロ・ロマーノを軽く散策し、後は日本への帰路に着きました。というわけで、旅も終わりとなりました。2週間の旅行を1ヵ月かけて綴ってきましたが、今日で一連の旅行記は一段落としたいと思います。これからはまた短歌中心に、気が向けば散文ということにします。いつも、旅行から帰ってきた後は、文章で思い出を残そうと思いはしていたのですが、実際にできたためしがありませんでした。ブログという仕掛け、デジカメで大量の写真が記録できたこと、などから、生まれて初めて旅行後の旅行記をある程度書き綴ることができてとっても満足しています。読んでくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。