テーマ:洋楽(3398)
カテゴリ:音楽関連
われわれは戸口の内側で凄まじい雷に頭をすくめ 荘厳な稲妻の鐘が 音の中で影を打ち あたかも自由の鐘がひらめくようであった ひらめいている 戦わないことが強みの戦士たちのために ひらめいている 逃走中の非武装の路上の避難民のために ひらめいている 夜の一人ひとりの負け犬の兵士たちのために そして われわれはひらめく自由の鐘を見つめた 捕まった時を思い出しながら 空想的な目をして笑っていた 宙ぶらりんに吊るされて 時間の軌跡の罠にかかり 最後にもう一度と聞き入っていた 最後にもう一度と見入っていた 魔法にかけられて吸い込まれたかのように 鐘の終わるまで 鳴っていた 癒されることのない傷にいたむ者たちのために 混乱させられ、非難され、虐待され、騙され もっと悪くさせられた者たちのために また この全世界の一人ひとりの挫折した者たちのために そして われわれはひらめく自由の鐘を見つめた ――――― ボブ・ディランが64年に発表した、 4thアルバム『Another Side of Bob Dylan』に収録 邦題は「自由の鐘」と言います。 それまでのスタイルから方向転換を図ろうとしたディランの “Another Side=もう1つの面”。 これは中学の時に良く聴いてたなぁ…(>ω<) あの頃の方が、今より年老いていたような気もしますが(笑) 弾き語りという形式は変わらないものの、 以前とは違う曲調になりつつあることが分かります。 歌う内容も、社会的なことよりも内面的なことへ移っていて。 ちなみに、このアルバムは たった1回のセッションで全曲吹き込まれたことでも知られています(笑) ギターとハーモニカ、そして落ち着いたディランの声。 真夜中の静けさの中で聴くと、そのシンプルさが更に余韻を残すんです この曲を歌っている時の彼は、 歌い手である前に詩人であるような気がします。 言葉によって形作られる情景を見ているような、そういう詩。 ただ、想像を通じて「見る」ことになるけれど。 自由についての曲なのに、プロテスト・ソングの域で片付けられない。 そう思わせる何かがあるわけです。 誰のための「自由」なのか、何のための「自由」なのか… 最近、ニュースを見聞きするたびに考えさせられる そして、私も、ひらめく自由の鐘を見つめてみるわけです。 『Another Side of Bob Dylan』の収録曲は以下の通り↓ All I Really Want to Do Black Crow Blues(黒いカラスのブルース) Spanish Harlem Incident Chimes of Freedom(自由の鐘) I Shall Be Free, No. 10 To Ramona(ラモーナに) Motorpsycho Nitemare(悪夢のドライブ) My Back Pages I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met) Ballad in Plain D(Dのバラッド) It Ain't Me Babe(悲しきベイブ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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