マンドリンを見に大阪へ出たついでに本屋さんへ寄った。「じゃあ今度街に出たら本屋さんへ行って見てみます…」などとこのブログのコメントかメールかで誰かと話題にしていたなにかがあった気がするのだが思いだせない。かと言ってこの折りを逃せばなかなか本屋へ行く機会もなさそうなので、行けば思いだすかもと思いながら行ってみたのだがやっぱり思いださない。ぼくとそういう話をした方か、どこかで書いていたのを御覧になられた方は教えて下さると嬉しいです。
仕方がなく工芸書のコーナーをはじめひろい店内をあちこち歩いて文庫本を三冊選んだ。岩波文庫の和辻哲郎『古寺巡礼』、鴨長明『方丈記』そしてうかつにもこれは出ているのも知らなかったのだが講談社文芸文庫の河井寛次郎『蝶が飛ぶ葉っぱが飛ぶ』。最初の2冊はこんなものもまだ読んでなかったのかと思われそうだが、実際のところこれはかなり後悔しているのだが自分は案外肝心な本も読んでいない。むろん興味のある人は大人になってから読めばいいには違いないが本当はこんなものは専門分野に進む前の十代に一応読んでおくべき本だったと思っている。河井先生のは未発表のノートからのものも含む貴重な内容で、さらにかつて『工藝』に連載されていた「陶技始末」、これは何年も前に単行本として纏められたことがあったし自分はそれを所蔵しているが今ではあまり見かけない本になっていたのでこれが収録されているのも多くの作陶家にとっては有難いことだと思う。記念館の鷺さんによる著作目録や詳しい年譜、そして河井須也子館長による在りし日の父を語る解説、柳宗悦による河井論も収録されておりなかなか充実した一冊である。
ところで今は文庫本もなかなか高くなったもので、千円を超えるものもあるのですね。中高生の頃は千円あればたしか数冊買えたなどとそんな古い話をしても仕方がないだろうが、なんだかちょっとした贅沢をしたような気分になってしまいました。
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Last updated
2006.08.22 02:14:55
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